伝統のノウハウと確かな数値に裏付けされたクラフトビール!HEISEI BREWING/長岡市


2023年08月13日 1710ビュー
酒蔵数が全国№1の酒どころ新潟県ではありますが……新潟県は日本酒だけではありません!!なんと、クラフトビール(地ビール)の醸造も盛んなのです。なにしろ1994年に新潟県のエチゴビール(株)が全国で初めてクラフトビールを製造。
新潟麦酒(株)は日本で初めて「瓶内発酵」「瓶内熟成」という古式製法でビールの製造免許を取得したんですよ!
現在(2023年7月)、新潟には18社のブルワリーがあり、今夏新たに2か所が追加されるようです。
日本酒も好きだけどビールも好きだー!!楽しみすぎる!!

 


ということで、今回は見附市のMITSUKE Local Brewery(ミツケローカルブルワリー)に続き、お隣の長岡市にありますHEISEI BREWING(ヘイセイブルーイング)に行ってきましたのでご紹介したいと思います。

醸造のまちで生まれたブルワリー

新潟県中越にあります長岡市。
長岡市と言えば、日本三大花火大会が行われる「長岡まつり」が有名ですので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
しかーし!
長岡は花火だけではありません。
日本伝統の食文化「発酵・醸造」のまちでもあるのです。
酒蔵の数は16(市域でいうと全国2位)もあり、古くから味噌や醤油の醸造も盛んなんですよ!!
 
そんな醸造のまちにある「酒屋平成堂」
HEISEI BREWING(ヘイセイブルーイング)は、平成堂の自社ブルワリーとして2022年にオープンしました。
 
経営する株式会社ホクショクは、県内老舗醸造業18社の協業合弁した「新潟県醤油協業組合」のグループ会社で、400年余続く醤油造りの歴史を引き継いでいます。
 
つまり! 醸造の地で、醸造のプロたちによって、醸造されたビール(クラフトビール)が、ここにあるのでーす!!
美味しいビールであること間違いなし!と、ワクワクしてきますよね!
HEISEI BREWINGJR北長岡駅から徒歩12分くらい。
新潟市から車で行くと長岡ICを降りて左手直進。
 
橋を渡って町なかに入ると、平成堂の大きな看板が見えてきます。

伝統のノウハウと確かな数値で裏付けされたビール造り

こちらで醸造を担当している佐藤雅史さんから醸造場を案内して頂きました。

佐藤雅史さん
株式会社ホクショクより、同社小売酒販事業部の酒屋平成堂内にクラフトビールの製造設備の新設プロジェクト責任者・工場長として請われ、株式会社ストレンジブルーイングより移籍。前職で培った酵母培養や醸造経験を活かしながら、長岡らしさのあるブランディングづくり、高品質なビール製造を行う。

お酒の倉庫を利用して作った醸造所は、断熱材などで徹底された温度管理が行われていて、400年にわたる醤油造りを通じた発酵、洗浄、工場運営のノウハウがぎゅっと詰まった空間。
自社培養の酵母で発酵し、仕込水を純水に変え、ビールのスタイル毎に水質調整を実施。
現在、定番4種と季節限定4種のビールを販売していますが、季節ごとにお客様が飲みたいだろうというビールを逆算して仕込んでいるので、10種類ほどを3つのタンクで回して製造しているそうです。

――お客様が飲みたいだろうというビールは、どのようなビールなんですか?
 
佐藤さん:
お客様と会話をしながら探っていったり、今までやってきたことの積み重ねだったり、データとしてあります。

 
佐藤さん:
実はこの仕事を始めたのは7年前…2016年秋からで、それまではIT関係の仕事をしていたんです。

 
――え!?
 
もともとアルコールが苦手だった佐藤さんは、20代の頃に美味しいクラフトビールと出会い、作り手や酵母、素材によって味わいが激変するという感動からビールにハマり、飲み手から造り手への興味が広がっていったそうです。
 
佐藤さん:
これはもしかして自分でも本格的にやったら商業ベースで売れるのかな?って。
でも実際やってみたらとんでもなかったですけど(笑)

 
佐藤さん自らが培養している酵母とデータを見せて頂きました。
(ビールのスタイルによって約20種類の酵母を使い分けている)
 
佐藤さん:
記録をすることによって味の再現性を出していく…それが必要。
例えば、季節ごとに発酵の経過も違います。数値化することで、何か問題があったときに紐解いていくと問題解決にもつながります。
また、味など数値化し難い部分もなるべく数値化して属人的にならないようにしないと維持はできません。
私がいなくなっても同じモノが造れるように、いかにデータを残していくか。それはどんな仕事にでもあてはまるのではないかと思います。
特にビールを造るというのは感覚によるところが多いけれど、必ずしも感覚というのはその人でしかありません。(飲み手の)味の感じ方も人それぞれなので、それらをどうやって共通認識にするか?それは数字でしかないと思います。
 

―IT関係に携わっていた佐藤さんならでは…ということでしょうか?
 
佐藤さん:
IT関係の「データを扱う」という仕事がここに生きていますが、どれが正解というわけではないので、いろんな考え方があって、いろんなスタイルのビールがあって良いと思います。

店内はまるで宝石箱❤ビールが飲めるタップルームもある

続いて売り場の平成堂の店内へ。
 
瓶詰めされたHEISEI BREWINGのビールが国内外のクラフトビールと共に並んでいます。
これだけ並んでいると、正直目移りしちゃってどれを選んでいいのか迷ってしまいますよね。
ジャケ買いも楽しいし♪
取材抜きでいち酒好きとして言うと、ビールに限らずデザイン性の高いラベルが付いた瓶って捨てられなくないですか!!??
私はラベルを剥がして額にして飾ったりしているのですが、聞けば佐藤さんもファイルにラベルをコレクションしているそうです。

(おお!同士!)

なので、HEISEI BREWINGのラベルは多少コストが高くなっても剥がしやすいものにしているのだとか。
そしてついコレクションしたくなる素敵なラベルのデザイン。
――佐藤さんが撮影した写真を、地元のイラストレーターNenNen(ネンネン)さんがコラージュして作っているとのことですが、写真は趣味で?
 
佐藤さん:
家が写真屋さんだったんです。
子どもの頃は継ぐものだと思っていたけれど、父親に「今はスマホで撮る時代だから商売にならない…継がなくていい」と言われて(笑)
小学生の時に絵を習っていて、今でも絵を見たり、写真集など風景写真などの構図を見たりするのが好きです。
だからラベルは「こういう所に人の目はいくよね…」という絵心的なものを考えながら、理屈でどうこう言えるレベルではないけれど、意識しながら作っています。
ネンネンさんは自分のイメージ通りのものを作ってくれるんです。

 
(ビールの醸造だけでなくIT、写真、絵…佐藤さんフリ幅広すぎです!!)
 
どれも素敵なのですが、中でもラベルと共に巷で話題になっているのがこのビールです。
(長岡生姜醤油ラーメンの味わいをイメージしたビール)

新潟県はラーメン王国。
TVでもよく紹介される新潟5大ラーメンという美味しくて有名な5種類のラーメンが存在するのですが、うち1つが「長岡生姜醤油ラーメン」なのです。
一体どんな味なのか超気になりませんか???
人気ラーメンの味を支えている醤油屋さんが醸造しているわけですから、期待度爆上がりですよね。
 
実際に飲んだ個人的な感想ですが、最初の口当たりはまろやかで中盤にビール本来のホップがやってきて最後に醤油というかダシの風味がふわーっとやってきてずっと鼻の奥に余韻が残りました。
ビールなのにちゃんと生姜醤油……上手く説明できないので、これは是非とも試してみて欲しい!!
 
他に新潟の美味しい梅(越の梅)を使用した「越の梅」(女子は梅大好き)と、ビール初心者さんにもおすすめの、定番「臥龍長生」も気になったので、購入することにしました。
 
これまでクラフトビールのショーケースしか見ていませんでしたが、
ぐるりと辺りを見渡せば、酒好きにとってはまるで宝箱をひっくり返したような店内!!
ビールだけでなく日本酒や焼酎、ワイン…もちろん醤油やだし、食品や雑貨も!!
佐藤さんおすすめの、ビールに合うおつまみ。
ちょうどいい固さで噛めば噛むほど旨みが出てきて、そのまま食べても手が止まらなくなりますよ!
入れるだけで、料亭で出てくるようなのどぐろご飯ができちゃうんだって。
小腹が空いたので、すぐに食べられるように購入(美味しかった!)
もちろん、お醤油も忘れずに!

そして、楽しくお買い物ができるだけではありません!
店内には、角打ちスペースならぬ「タップルーム」という実際にビールが飲めるお洒落なスペースがあるんです!!
 
 
タップというのはビールが出てくる蛇口のことで、蛇口部屋という意味。
(玄米保冷庫を利用)

タップルームでビールを飲んだり、量り売りで購入することができます。
 
ああ…このままここでビール飲みたいなぁ……
なんかずっとお店に居られる気がする……
って、ホントに仕事を忘れてしまう前に、改めて佐藤さんにお話をお伺いせねば!です。

 

ビールや長岡の魅力についていろいろ聞いてみた

――造りで手応えを感じていること、または苦労していることがあれば教えてください。
 
佐藤さん:
仕込み釜の性質が肌感と実測データとの整合がとれてきて、事業開始当初に比べ制御しやすくなったことです。しかし、ひとつ壁を越えるとまた新たな壁が見えてくることは、苦労というか神経を使います。
苦労ではなく、乗り越えた時に、喜びに感じられるようにしたいですね。

 
――佐藤さんにとって、そこまで思わせてくれるビールの魅力とはなんでしょうか?
 
佐藤さん:
気軽に飲めるお酒、多彩なフレーバーを現在進行形で発見する魅力があります。

 
――フレーバーといえば、季節限定で販売している酒粕を使用した「魚沼酒粕 NEIPA」というビールもありますよね。
日本酒もお好きなんですか?
 
佐藤さん:
晩酌では、ほぼ毎日食後に日本酒を飲みます。
キレイで引っ掛かりがない、するする飲める日本酒が好きで、そういうビールを造りたいと思っています。
というのも、お酒の飲み易さってなんだろ?と考えた時に、私の場合はアルコール度数が高い低い関係なく、引っ掛かりがないものでした。
もともとアルコールが苦手な人間からすると一番とっつき易いでしょ?
アルコールが得意であれば、守備範囲は広くなって、強いキャラクターでもこれはいいよと思えるのですが、そこまでいけなかったんです(笑)

 
――私もお酒は好きですが、下戸なのですっごく分かります!!ついでに長岡(新潟)の魅力や驚いたことなどがあれば教えてください。
 
佐藤さん:
長岡は都会と田舎の両面の魅力を持っていて住みやすい街です。
あと、日本酒をすごくいっぱい飲む人がいるなぁ…と思いました(笑)
驚いたことは、冬場の日照時間の短さと魚沼の雪が半端なかったこと。屋根からの雪下ろしは死ぬかと思いました(笑)

 
――あははは。では最後に、これからの展望など教えてください。
 
佐藤さん:
お酒の質を上げることを一番大事にしつつ、独自性があって美味しいものを造っていきたいです。
ウチの独自性というのは、醤油を使ったビールだったりするのですが、そこをもっと深掘りしていけたらと。それはラーメン屋さんのサプライヤー(供給元)としているからこそできることでもありますので。
また、醸造のまちだからこそ、お酒はお酒、醤油は醤油、ビールはビールではなく、クロスオーバーして面白いものを作っていけたらなぁと。
海外の良いものを取り入れることも大事ですが、それ以上にやるべきことが地元にあるのかなと思っています。

 
 
平成堂では、4月から11月までの第3土曜・日曜に、駐車場にてクラフトビールとフードブースが集う「平成堂ローカルビア&マーケット」なるイベントを開催しています。県外からも人が集まる大人気イベントです。
新潟市内では「ぽん酒館」「錦屋酒店」「新潟空港」でHEISEI BREWINGのビールを買うことができます。
新潟駅構内の「Tabibar&café」にも樽生がありますのでぜひチェックしてみてくださいね!

オンラインショップはHPから。

酒屋平成堂/HEISEI BREWING工場 

〒940-0861 長岡市川崎町字山崎778-1 酒屋平成堂内
TEL:0258-34-5410
営業時間:10:00~19:00(火曜定休)

佐藤さんおすすめのお店でランチして寄り道してみた!

取材後(お昼時)せっかくここまで来たので、少し寄り道をしたいと思います。 まずはお腹が空いたので、佐藤さんから聞いたおすすめのお店でランチをすることにしました。 平成堂のすぐ近くにあります中国食彩龍圓。 何を食べても美味しいとのことですが、夏は「汁なし中国味噌そば」が、飽きがこなくておすすめとのこと。
店内はひっきりなしにお客様が訪れ、地元の人気店であるということが分かります。

メニューが豊富でどれも美味しそうでかなり迷いましたが、汁なし中国味噌そばと海鮮サラダと春巻きも注文(食べ過ぎか?)
 
まじぇまじぇ……

見た目よりあっさりサッパリで、確かに飽きることなくあっという間にペロリと食べちゃいました!
写真から分かる通りサラダもボリュームあったし、アッツアツの春巻きも美味しかったです。
ごちそうさまでした♡

中国食彩 龍圓 新保店

新潟県長岡市新保6-81
TEL:0258-25-3037

山本五十六記念館

お腹がいっぱいになったので、長岡駅近くにあります「山本五十六記念館」にも寄り道。
パプアニューギニア政府の厚意により持ち帰ることができた搭乗機の左翼の一部が展示されています。
館内はお写真NGなので外観だけ……
 

山本五十六記念館

新潟県長岡市呉服町1-4-1
TEL:0258-37-8001

patisserie Annivel(パティスリー アニヴェル)

お友達へのお土産にはこれまた地元で人気のスイーツ店「patisserie Annivel(パティスリー アニヴェル)」でジャージープリンを購入。
 
希少なジャージー種の生乳を100%使用した超美味しいブリンです。

patisserie Annivel(パティスリー アニヴェル)

新潟県長岡市川崎町865-2 ルージェスカワサキ内
TEL:0258-86-1525

そして最後は、やはりここでしょうか……

道の駅ながおか花火館

喉が渇いたのでフードコートで一休み。
長岡にあるお店から、和・洋・中・スイーツ…いろいろなグルメを堪能することができます!
店内の照明も花火みたくなっていて素敵でしょ!
 
ここでもご飯食べたい
(ああ、胃袋がもう一つ欲しい…)
 
ぐっと堪えて糀甘酒と自家製ミルクシロップのかき氷糀甘酒に決定!
お酒好きですが甘酒も大好き!!
ふわふわというより、ふわっとシャリっとした氷で(削り機械は市内の企業さんのもの)口当たりがとっても良くてサッパリと頂くことができました!
甘酒ドリンクもちょうど良いあんばいで麹の甘さを感じられて美味しい❤

続いて長岡花火ミュージアムへ。
入館料無料の展示室(1F)では花火ゲームなどが楽しめる大ビジョンがあり、花火の歴史や魅力を紹介しています。

 
原寸大の花火玉や花火筒……
でかい!!
花火筒がこんなに大きかったなんて初めて知りました。
(身長178cm旦那さまと比較)
 
はい!それでは越後長岡御貢屋(おみつぎや)でお楽しみのお土産を買って帰りましょう♪
 
見たら見るだけ欲しくなっちゃうんだけど……
 
長岡で「お赤飯」といったら小豆入りの赤いヤツではなく、金時豆の醤油おこわなんですよ!!
我が家は新潟市内なので赤い方がメジャーだったけど、醬油おこわもたまに登場したなぁ…時々こっちも食べたくなるのよね。
 
長岡市内の蔵を中心に地酒もたくさん売っています。
結局、見附の時と同様に取材に行ったのやら現地を満喫しに行ったのやら分からなくなってきましたので今回はこのへんで(笑)
今度は「平成堂ローカルビア&マーケット」が開催される日をめがけてまた長岡に遊びに行きたいと思います!
 

道の駅ながおか花火館

新潟県長岡市喜多町707番地

この記事を書いた人
おくちゃん

WEBライター/日本酒ナビゲーター/スイーツコンシェルジュ 新潟市南区出身。
美味しいもの大好き!
油ものとお腹周りがキツくなってきたアラフォー・2児の母。