同じ場所から、新しい一歩。この夏の開店「そば処 富永」と春に再始動した「大沢山温泉 大沢館」/南魚沼市


2025年10月01日 21ビュー
南魚沼市在住のシバゴーです。私は、新潟から群馬へ続く主要道路である国道17号線の石打付近をよく車で通るのですが、その道沿いにある蕎麦屋「中野屋」が、週末にはいつも行列ができている所を見ていました。人気のお店と思っていたところ、閉店となってしまい驚きました。ところが7月下旬、その場所に新たな蕎麦屋「そば処 富永」がオープンしたのを見かけました。
 
また、南魚沼から十日町へ抜ける県道76号線(大沢峠を越える道)沿いにある、旅館「大沢山温泉 大沢館」。こちらも評判で、いつも宿泊者の車がたくさん停まっている所を見ていたのが、閉館となってしまい驚きました。でも、こちらも6月にリニューアルオープンしていたようでした。
 
車でわずか5分、3キロほどしか離れていない2つのスポットが、相次いで新しくなったことに興味をひかれ、実際に訪ねてみることにしました。今回は、気軽にランチでお蕎麦を味わい、日帰り温泉に浸かるプランで楽しんできました。遠方から訪れる方には、ぜひ1泊2日でゆったり過されることをおすすめします。

まずはランチで「そば処 富永」へ。

建物の外観は、以前の「中野屋」と変わらず、看板が新しく「そば処 富永」と変わっていました。店主で、蕎麦打ち職人の富永快周さんにお話を伺いました。富永さんは、中野屋で6年間修業して(2年間はこの塩沢支店、4年間は湯沢本店)から、このお店で独立したのだそうです。中野屋の営業は今年5月6日までで、富永がオープンしたのが7月25日でした。

新潟で食べるなら、やっぱり「へぎ蕎麦」!

へぎそばには、布海苔(ふのり)という海藻が練り込まれています。蕎麦は、四角い木製の「へぎ」という木製の器に盛り付けられています。
お蕎麦は一口大に手繰って盛ってあります。「冠婚葬祭とか、人が集まるときに出されたのが、へぎそばの始まりと(中野屋の)社長から聞いたことがある」と富永さんが話していました。お蕎麦は食べるとコシがあって美味しかったです。
蕎麦粉は小千谷産を用いていて、全体の何割かは皮のついた蕎麦の実を、店頭の石臼で挽いてブレンドしているそうです。店頭で、石臼が見られるように鏡貼りになっていました。小千谷産の蕎麦粉は水分が多く含まれているので、ボロボロしなくて、のどごしがいい、と富永さんは言われます。
天ぷら盛り合わせも注文しました。海老、茄子、舞茸、ツルムラサキなど。衣がパリパリで、カラッと揚げられていました。へぎ蕎麦と天ぷらの盛合せを注文するお客さんが多いそうです。

店内の様子をご紹介。

外観だけでなく内装も、中野屋の営業していた際とあまり変わらず、変えたのは畳や襖、トイレだそうです。私はトイレを利用しなかったのですが、飲食店でトイレが新しく綺麗なのは嬉しいですよね。小上がりにはテーブルが3つあり、それぞれ6人ずつ座れます。窓の外は、空間が開けていて明るく、南魚沼の雄大な自然が眺められます。
すぐそばには魚野川が流れています。訪問した8月下旬には、鮎釣りをしている様子が見られました。
お店近くの橋の上から、湯沢方面の魚野川。右側の川沿いにお店があります。
巻機山などの山々が、窓から見えます。「お蕎麦が美味しいのもいいし、景色がいいのもいいね。」と言って、お客さんの喜ばれる声も聞くそうです。
テーブルは4人掛けが2つ、大きなテーブルは2人ずつ、4面で8名まで座れます。
奥の方には、小さな座敷の個室が2部屋、ありました。

メニューはこちら

令和7年9月時点のメニューと価格になります。今後は、カツ丼や天丼など、丼物も提供したいと思われているそうです。
10月~11月頃になると、新蕎麦が出始めます。香りの良さが引き立ち、一段と美味しいとのこと。富永さんは「関東では、あまり食べられない蕎麦なので、ぜひ南魚沼に来て召し上がっていただきたい」と話していました。
そば処 富永

そば処 富永

【住所】新潟県南魚沼市南田中534-89
【電話】025-775-7797
【営業時間】11:00〜19:30(ラストオーダー19:00)
【定休日】火曜日(月曜日15時まで) ※臨時休業あり ※予約受付なし

「そば処 富永」から約3キロの「大沢山温泉 大沢館」へ。

実は私、大沢館の前はよく通るのですが、何十年も訪れていなかったので、初めて来たのと変わりませんでした。以前の大沢館では、日帰り温泉をやっていなかったのでないかと思います。ずいぶん昔に、遠方の親戚が来て、一緒に泊まったような記憶が、うっすらあるくらいです。
 
石打にある丸山温泉の「古城館」が事業を承継し、1年2か月にわたるリニューアル工事を経て、6月2日(月)にグランドオープンしたそうです。
エントランスに入ると、吹き抜けで開放感がある空間。左の方へ進むと受付カウンターやラウンジがありました。
受付はカマドのような、暖かいイメージのカウンター。和モダンの内装が落ち着きます。

トロットロの温泉!

内風呂「白妙の湯」が日帰り温泉で利用できます。こちらは山側で、観音様がいました。男湯と女湯は入れ替え制で、窓の位置が変わるだけで、大きさは同じでした。利用時間は14:00~21:00(最終入場20:30)。料金は、平日・小学生以上1,000円/未就学児500円で、平日以外は小学生以上1,500円/未就学児750円となります(価格は全て税込)。
こちらは道路側。道路といっても、窓際で覗かなければ見えません。地蔵様がいました。
浸かってみると、お湯がトロトロ。肌がすべすべになって、化粧水みたい。大沢山温泉って、いい湯なんだなあと思いました。ナトリウム塩化物炭酸水素塩温泉(低張性弱アルカリ性温泉)、無色透明で無臭であり、微塩味を有するそうです。
天井は高く太い梁が見えて、室内ではありますが、開放感がある中で温泉に入れます。
山の中の秘湯ではあるのですが、道路沿いなので、交通の不便さは感じません。でも、この風景を眺めながら温泉に入ると「ああ、山の中で、ゆったり…」という気分で、時間の流れがゆるやかになったように感じました。温泉は、お湯がいいのがもちろん重要ですが、眺めがいいかというのもありますよね。ここは本当に最高、と思いました。

宿泊すれば、露天風呂にも入れます!

宿泊者限定で、露天風呂に入れます。内風呂もよいですが、露天風呂は、本当に「山の中!」って感じで風が通り抜け、気持ちよさそうでした。
宿泊できるお部屋を見学させてもらいました。こちらは別館3階の和室。作りはそのままで、畳などを張り替えてあるのだそうです。角部屋で明るく、間取りは広く、素敵なお部屋。リピーターの人が多いのも納得でした。本館は、和洋室でシャワーもついていて、インバウンドでの利用が多いそうです。
スタッフの富山さんは「静かな自然に囲まれた、山の中の秘湯です。ぜひご来館いただき、ゆっくりとお休みになってください」と言われていました。
大沢山温泉 大沢館

大沢山温泉 大沢館

【住所】新潟県南魚沼市大沢1170
【電話番号】025-783-3773

「そば処 富永」と「大沢山温泉 大沢館」

この記事を書いた人
シバゴー

南魚沼市在住。趣味は写真撮影と読書で、本で調べた所へ行って写真を撮ることをライフワークとしています。神社彫刻が好きで、幕末の彫刻家・石川雲蝶と小林源太郎、「雲蝶のストーカー」を公言する中島すい子さんのファン。地域の郷土史研究家・細矢菊治さんや、地元を撮影した写真家・中俣正義さん、高橋藤雄さんのファンでもあります。