県内最多種類の動物がいる遊園と大観音で秋の行楽を堪能/胎内市


2020年09月24日 12177ビュー

モフモフに癒やされる樽ケ橋遊園

ウサギ、アルパカ、モルモット……モフモフの可愛い動物たちに癒やされたい!
そんな思いを胸に胎内市の「樽ケ橋遊園」に行ってきました。

こちらは昭和52年オープンの施設です。市の担当者によると、憩いの場として多くの方に愛されており、昨年度はおよそ4万8千人が訪れました。ちなみに「市外など遠方からの方が多いんですよ」とのこと。数年前に設置した大型遊具の影響もあり、ここ数年は右肩上がりで来園者が増えている人気スポットです。
アルパカのイラストが描かれたゲートをくぐると、看板猫の「あきこちゃん」がお出迎え。保護猫として2年前にやって来たそうです。
大人気で皆がスマホを取り出して、カメラマンと化していました。
うんうん、分かります。私も思わず「世界ネコ歩き」の岩合光昭さんになりきり、這いつくばって何枚も写真を撮ってしまいましたよ。
こちらの特徴はなんと言っても県内最多種類を誇る小動物園があること。園長の加藤誠さんによると、ヤクシカ、ツキノワグマ、オオフラミンゴ、シェットランドポニーなど20種類以上
ただし現在は営業しながらリニューアル工事が行われているため、一部見られない動物や休止中の施設などもありますが、来年度中には新しいどうぶつ舎がすべて完成するそうです。

入るとすぐ右手にツキノワグマのくーちゃんがいます。この名前は公募で決まりました。次は鳥舎。奥には池がありアイガモが放し飼いになっていました。逃げちゃうのでは?と思いきや園長さん曰く「アイガモは飛べないから大丈夫です」とのことでした。
こちらはウサギ舎です。まんまるでフワフワのうさちゃんがおよそ50羽ほどいます。
通常であればこの子たちとふれあい体験ができるのですが、残念ながら現在は新型コロナウイルス感染症対策のため、エサやりを含めすべて休止しています。再開の日が待ち遠しいですね。

待ち遠しいといえば、遊園のSNSで公開中のフェレットたちも、来年度にどうぶつ舎が完成すれば正式にお披露目になるそうです。
アルパカは毎年春になると「山古志アルパカ村」から3頭ほど派遣されてきます。
樽ケ橋遊園ではなんと柵越しではなく直接えさやり体験が出来るのです(現在は休止中)!来園者とふれあうことを考慮して「おとなしくて人になつく、気立ての良い子が毎年やってくる」そうです。
カメラを構えると、黒目がちのつぶらな瞳でこちらを見つめてきましたよ。もう、キュンキュンです。ふれあいを想像しながら、金網越しに見つめ合いました。
アルパカのお隣にはヤクシカがいました。
こちらは鹿児島県屋久島と口永良部島にのみ生息する鹿で、大人になっても小柄でまるで子鹿のように華奢なのが特徴です。キュウイ、キュウイととても可愛いらしく不思議な声で鳴きます。ぜひ生の声を聞いてみてくださいね。
メンテナンス中だったメリーゴーランドが9月19日から運行を再開しました。
大人も楽しめるゴーカートは土・日・祝日のみ運行で、時に行列ができるほど人気です。300円で、トンネルありカーブありの全長450mのコースを1周できます。
小さいお子さんでも安心して楽しめるバッテリーカーは、現在休止中ですが来春から再開の予定です。
休憩所たるる」は昨年新たにできた施設です。
園内には飲食施設はありませんが、アルコール以外なら持ち込みは自由なので、たるるの芝生広場でピクニックをすることもできます。
子どもたちに大人気の大型遊具。自然のなかでのびのびと遊べます。
他にもきれいな並木道池のある日本庭園などもあり、大人から子どもまでたっぷり遊べるオススメの施設です。

樽ケ橋遊園

住所:新潟県胎内市下赤谷358-2
TEL:0254-43-6112
料金:大人(高校生以上)310円、子ども(4歳以上)210円
乗り物は別途料金
開園期間:4月1日から11月30日まで
開園中無休。12月から3月まで閉園

樽ケ橋といえばこの真っ赤な橋ですね。以前ここを渡ったとき、気になるものが見えました。なんと山の中腹に大きな観音像が!
あれは一体何だろう?と気になっていたので、今回思い切って訪ねてみました。

建立当時高さ日本一の観音様

樽ケ橋遊園から徒歩1分のところにある「越後胎内観音」です。
こちらは昭和42年8月28日に起きた羽越大水害の犠牲者の慰霊と、災害復興、国土の平和繁栄を祈念して、水害から3年後の昭和45年8月28日に建立されました。
建立20周年に建てられた仁王殿をくぐっていざ、中へ!この山門は「くぐると心が清められる」という言い伝えがあります。
階段の下から見上げると、観音様はとても大きく感じます。
それもそのはず、高さは7.3m、重量は4t。建立当初は日本一の大きさを誇る青銅製観音だったのです。
水害からの復興を願う地元の人たち、支援の手を差し伸べてくれた全国の人たちなどから寄せられた貴重な浄罪で、この観音像は造られました。ご利益はボケ防止、子授け・安産、厄除け、家内安全、無病息災、学業成就とされています。じつに幅広い!
蓮華台に立つその姿がまるで波の上に乗っているように見えることから、別名「波乗り観音」と呼ばれています。
じつはこの観音像、この場所に建っているのにはちゃんと意味があります。地元の人たちの安寧を見守り続けます…という思いを込めて、観音様の目線がちょうど樽ケ橋のほぼ中央を見つめているように設置されているのです。
地元の商工会の方曰く「この観音様がここに置かれるようになってから、地元では大きな災害は起きていません」とのことでした。
観音様にお参りしたら、帰林殿に立ち寄ってみましょう。
4月から10月までは8時30分から16時30分、11月から3月までは9時30分から15時30分まで開いています。
ここには「童女石」と名付けられた不思議な石が納められています。
昭和46年に胎内観音を参拝した新潟市の男性が、帰林殿付近で見つけた石を持ち帰りました。帰宅して土を洗い流したところ、石から幼い女の子の顔のような模様が浮かんで見えたのです。災害に犠牲になった子どもたちのことを思い出した男性は「奇縁」と感じて、石を奉納しました。
写真だと分かりづらいかもしれませんが、確かに幼い女の子の姿のようなものを見ることができました。気になる方はぜひ実物をご覧ください。
またここでは、お参りをした方は300円をお納めしてご朱印をいただくことができます。
他にもさまざまなお守りが並んでいますので、ぜひお立ち寄りください。
隣の医王殿には、かつての災害の様子を伝えるパネル展示がされています。
ここには大河ドラマ「天地人」の主人公・直江兼続が幼少期に学んだ寺「雲洞庵」の新井石竜禅師開眼の薬師如来が安置されており「薬師堂」とも呼ばれています。
こちらは鐘撞き堂です。毎年大晦日になると2年参りの人で、賑わいます。
23時30分頃から、希望の人は鐘撞き体験ができます。
樽ケ橋遊園と越後胎内観音に隣接して「道の駅 胎内」があります。
二年参りのときには特別に遅くまで営業をしており、参拝者はここで年越し蕎麦を楽しむこともできます。

今年の二年参りイベントの開催は現時点では未定ですが、地元の商工会の方は「できれば開催したい。お蕎麦が無理でもせめて甘酒くらいは提供できれば」と話していました。 観音様のご利益で、どうか例年通りの年越しを迎えることができますように…と願いながら、後にしました。

越後胎内観音

住所:新潟県胎内市下赤谷384-1

この記事を書いた人
和田明子

長岡市のリバティデザインスタジオで、夫とともにグラフィックデザインやコンテンツ制作を行う。アート、映画、文学、建築、カフェ巡り、旅行、可愛いものが大好き。ウェブマガジン「WebSkip(https://webskip.net/)」も細々と更新中