新潟は酒蔵だけじゃない!ここにしかないお酒を求めて!そうだ!酒屋に行こう②【酒屋やよい(有限会社弥生商店)】/弥彦村


2023年08月23日 4686ビュー
酒どころ新潟の蔵元の数は全国№1。個性豊かなお酒やお蔵が数多くあり、蔵を見学しながらお酒を買うのも楽しいのですが、それらのお酒を売る町の「酒屋さん」でお買い物するのも、とっても面白いんですよ!そこの「酒屋さん」にしかないお酒や飲み方など、新しい発見や出会いがあなたを待っています。
 
第二弾となる今回は、新潟県弥彦村にあります「(有)弥生商店(酒屋やよい、弥彦ブリューイング)」です。
 

場所はここ!人気観光スポット彌彦神社の門前

酒屋やよいがありますのは、なんと新潟県でも有数の観光スポット「彌彦神社」のすぐ目の前です。
越後開拓の祖神を祀る、二千四百年以上の歴史がある神社。
「お弥彦さま」と地元の人からは愛され、県内外から年間約140万人の方々が訪れています。

醸造と販売を知り尽くしたプロが営む酒店

今回お話をいただいたのは酒屋やよいを営む(有)弥生商店の代表取締役 羽生雅克さん。

羽生雅克(はにゅうまさかつ)
新潟県西蒲原郡弥彦村出身。
東京農業大学醸造学科(現醸造科学科)卒。
山梨のワイナリー㈱ルミエールで修行後、2002年に弥生商店3代目として入社。
2018年代表取締役就任

(有)弥生商店は1962年設立。
もとは新潟県巻町でお醤油の醸造をしていたそうです。
当時は食料品や日用品も取り扱う村の雑貨屋さんだったとか!

2代目雅克さんのお父様から地酒に特化した酒屋さんになり、2002年2店舗目となる酒屋やよい神社前店開店。

2019年には発泡酒製造免許を取得し弥彦ブリューイング(発泡酒醸造所・タップルーム)を開店。

さらに今年2023年には新醸造所を建設し、特区果実酒製造免許、リキュール免許を取得。
築200年の古民家を移築・再生し、ドイツ人建築家のカール・ベンクス氏がデザインを手掛けていて、日本の趣がありながらもモダンな雰囲気です。
そんなお洒落な店内には20蔵をこえる地酒の他、新潟県のワインやクラフトビール、全国の本格焼酎、カトラリーがずらりと並んでいました。
――高校を卒業して醸造科の大学へ進んだのはその頃から3代目としてお店を継ごうと思っていたからですか?
 
羽生さん:中学校くらいから進路を考えた時、周囲から刷り込みをされました(笑)
それで(お酒の)造りを知らないと売ることはできないと思い、東京の醸造科のある東京農業大学を選びました。
清酒造りに関しては大学のカリキュラムの中で学び、在学時代にソムリエスクールでアルバイトをしてワインの素晴らしさにも気付きました。
それで卒業後は山梨県にありますルミエールで働き、ワインの醸造だけでなくラベル貼りから配達まで全工程を学び良い経験をさせてもらいました。
新潟のワインも岩の原ワインやカーブドッチをはじめ歴史が深いですよね。酒屋の目線でいうと日本酒はもちろんワインも、フラットに説明できたらと。

 
清酒、ワインの造りにも精通し、ビールに至っては実際にこちらで醸造しているのだからすごい!!

日本酒好きならワクワクドキドキが止まらない

日本酒だけではない…とはいえ、新潟の地酒大好き(自称日本酒女子)の私、店内にあるお酒のラインナップとテイスティングルームのメニューを見て驚いてしまいました。
すいません、正直侮っていました。

人気観光地の酒屋さんだから、県外の方々が知っているような銘柄が多いのかなって…
でも違いました!!
もちろん、新潟を代表するいわゆる“淡麗辛口”のお酒もあるのですが、旨味や甘味もあるお酒……地元の私たちでも簡単に買うことができないお酒や、お店と蔵元さんで企画した、本当にここでしか買えないお酒もあったんです!!
テイスティングルームも、テイスティングとは思えないほどの種類の多さ!
日本酒だけでなく、ワインやビール、焼酎、そしてノンアルコールドリンクも豊富にあり、おつまみも充実。
あ、このハレリーと成沢商店の豆は美味しいんだよな(マジで止まらなくなる系)
イカメンチはフワフワでサクサク!
ビールにも日本酒にも合う♡
 
もうテイスティングというよりは居酒屋さんみたい(いや、普通の居酒屋さんよりドリンクメニュー豊富)全部飲んで食べたくなっちゃう!!
 
もともと1階の店頭でもテイスティングをやっていたそうなのですが、店頭だけだと本当の素晴らしさを伝えきれないんじゃないかと思い、テイスティングルームを作ったそうです。
その中から、今回特におすすめのお酒をいただきました(仕事です…たぶん)
弥彦酒造「彌彦愛国」と「弥彦温泉おかみ会限定酒」
彌彦愛国は飲んだことがありますが、おかみ会限定酒は初めて!
うーん!香りが良くてフルーティー!でも甘すぎず飲み易い!
一方の彌彦愛国はお米の味がどっしりしっかりとしているので、こうして飲み比べてみると味わいの違いが分かり易く、合わせるお料理も想像できてきます。
窓からはお弥彦さまの門前を眺めることができるロケーション。
この日はとても暑かったのですが、心地よい風が吹き抜けていき、時間を忘れてお酒とお弥彦さまの神秘的なパワーに酔いしれてしまいました。
 
他にも羽生さんおすすめのペアリングは、
・弥彦村産の枝豆と日本酒ハイボール、弥彦ブリューイングのクラフトビール
・季節の日本海の魚介を用いたお料理と、新潟清酒のペアリング
・新潟の食材を用いた洋食と新潟のワイン
・日本酒、ワイン、焼酎、クラフトビールの酒別を超えたコース料理のペアリング

などなど。
こちらも全部試してみたいですね!!
 
(帰りに枝豆買って帰ろう……)
 
テイスティングルームの営業日は土日祝日、10:00~17:30(L.O)となっております。
他に蔵元を招いての店頭試飲販売会(不定期)3月には弥彦温泉の宿にて開催される「やよいの会秘蔵銘酒の夕べ」全国に出張してオンライン・リアル開催(不定期)される「やよいの会」などのイベントも行っています。
 
なかでも特に人気なのが毎週木曜日19:00~オンラインで開催している「オンラインやよいの会(Facebookライブ)」(※場合により日程変更もあり)
オンラインで羽生さん自らがおすすめのお酒とお料理を紹介しています。
 
――始めたきっかけなど教えてください。
 
羽生:コロナ禍以前はお客様を交えて、リアルなお酒のイベントを開催しておりましたが、それがかなわなくなり、消費のシーンが激減してしまった飲食店様やお酒の造り手を応援しながら、お客様とコミュニケーションを図りたいと開催しました。
現在は楽しみにしていただいているお客様も多いですが、ただおっさんが飲んで食べているだけの映像です(笑)
これまで蔵元やワイナリー、飲食店様、お客様をゲストにお招きして開催させていただいたりもしております。知られていなかったお酒や、イベント情報、飲食店様を知っていただければと考えています。

 
――私も拝聴しましたが、とっても面白くて、お酒好きさんや常連さんよりかは、逆に日本酒をあまり知らない…という方に見て欲しいなと思いました。
「日本酒って(肩肘張らずに)こんな風に楽しんでいいんだ」って思えるというか、ハードルが下がるというか。
 
羽生さん:ハードル低すぎるんじゃないかというくらいゆるゆるです(笑)
専門的なことを求められたらお答えできるようにしたいけれど、日本酒は自由に楽しんで良いお酒ですので、そういうことも伝えていきたいです。飲酒をするということがコロナ禍で変わってしまったので、楽しく飲めるきっかけになってもらえたら嬉しいですね。

信仰と観光が合わさる「こころのふるさと」でお酒と地元の魅力を伝え続ける

それでは最後に、地元っ子羽生さんに新潟のお酒や弥彦の魅力についてお話をお伺いしたいと思います。
 
羽生さん:新潟は清酒蔵が90社。
清酒だけでも大変多彩な味わいがあります。
日本ワイン、クラフトビールの造り手も数多く、ウイスキー蒸留所、ジン蒸留所等々を含め非常に多彩な酒類が楽しめます。
そして南北に長く、新潟県内でも地域によって食材や味付けが異なります。海の幸山の幸を使用した郷土の味わいとともに多彩な酒類を合わせて、無限に広がる新潟の食を、新潟のお酒とともに楽しんでいただきたいです。

 
――弥彦(地元)の魅力はなんでしょうか?
 
羽生さん:弥彦村は新潟のほぼ中央に位置し「弥彦山」があります。
越後平野を見渡す絶好のロケーションです。越後文化開拓の祖といわれている、越後一宮彌彦神社、おやひこさまにご参拝のお客様も多く、歴史文化も深く、信仰と観光が合わさる土地です。
日本海も近く、越後平野の穀倉地帯にあり、海の幸はもちろん、米、枝豆などの野菜に恵まれ、ローカルツーリズムを楽しんでいただくにはちょうど良い広さだと感じます。どこかなつかしい、「こころのふるさと」を感じて頂ける村です。

 
――周辺スポットでおすすめの場所はありますか?

羽生さん:弥彦は現在注目されるおしゃれなカフェがたくさん営業されています。発酵食品のカフェ「binn」さんや、「59FU」さん。旅空カフェさんのスパイスカレーも人気です。
 
歴史文化では彌彦神社境内にある「宝物殿」所蔵の太刀、上杉謙信公が川中島の合戦前に「私利私欲の戦いではない」旨をおやひこさまに誓った「祈願文」等が収蔵されています。
 
弥彦山へ登山もおすすめですが、ちょっと山登りは……という方にはロープウェイもおすすめです。
弥彦山から越後平野を見渡したり、佐渡島を眺めたりと、普段見られない絶景をご覧いただけます。
夜景もおすすめです。

 
――これからの展望など教えて下さい。

羽生さん:(有)弥生商店はおかげ様で60周年を迎えました。
これまで多くのお客様にお支えいただき、また新潟の酒蔵、ワイナリー、本格焼酎蔵、ブリュワリーの皆様のお力添えで今日を迎えました。
また、おやひこさまの門前で商いをさせてもらい、有難いと思っています。
越後平野で稲作と口かみ酒しかなかったところに、麹からお酒をつくる技を伝えたのがおやひこさまです。越後平野で酒をつくるにはなくてはならない存在ですので、ここで商いをやることには何か意味があるのではないかと。
 
これまで以上にこだわりの造り手のお酒を詳しくご紹介させていただくのはもちろん、リアルなイベントを企画して飲食店様、お客様、造り手の橋渡しをさせていただきたいと考えております。
さらに弥生商店はもう一つの挑戦をします。
地酒屋からクラフトビールの製造、そして果実酒製造、リキュールの製造です。
弥彦村を中心とした農産物を活用し、個性ある味わいのクラフトビール、ワイン、リキュー
ルの醸造を目指します。
食のシーンがより楽しくなるように、弥生商店は挑戦し続けていきたいと思っております。

 
弥生商店が醸造するワインやリキュール!!
わーーーーッい!!
これは早く飲みたーーーーーッい!!
できたらすぐに教えてくださいね!!!
これからも目が離せません。
あ、今回、お店にある限定酒や珍しいお酒を詳しく紹介しきれませんでしたので、毎週木曜19時のFacebookライブやSNS、お店のオンラインショップもありますので皆様ぜひともチェックしてみてくださいね。
私もライブ…参加してるかも(笑)

店舗情報

・弥彦ブリューイング
・酒屋やよい
お問い合わせTEL(0256)94-5841

酒屋やよい

この記事を書いた人
おくちゃん

WEBライター/日本酒ナビゲーター/スイーツコンシェルジュ 新潟市南区出身。
美味しいもの大好き!
油ものとお腹周りがキツくなってきたアラフォー・2児の母。