新潟の郷土料理に満たされる旅へ~新潟ローカルガストロノミー~
ときには県外のものも信濃川や阿賀野川の水運を使って行き来し、各地の食文化に 取り入れられていきました。おいしい郷土料理を食べ、その土地の歴史や暮らしに想いを馳せます。
1
鮨・割烹丸伊
-
米どころであり豊かな海の幸を楽しめる新潟についたら、まずは湊町新潟の花街・古町鍋茶屋通りにある鮨・割烹丸伊へ。新潟・佐渡沖で獲れた地魚を中心に、新鮮な魚介を贅沢にいただけると地元民にも人気が高いお店です。ランチタイム限定のおトクなメニューの数々のほか、新潟の旬の魚にトロ、ウニ、イクラを加えた、ディナータイムでも人気の高い「極み」もオススメです。プロに教えてもらいながら自らがお寿司を握る「高級寿司握り体験」プログラムもあるので、詳細は問合せを。
2
信濃川ウォーターシャトル
-
海の幸でお腹が満たされたあとは、信濃川ウォーターシャトルでそよ風が気持ちいいクルージングへ。交通手段として地点間を移動するシャトル便のほか、朱鷺メッセから周遊便が運行しています(11月末~3月下旬は、シャトル便、周遊便ともに要事前予約)。国の重要文化財である萬代橋をくぐり、歴史博物館みなとぴあなどの新潟市内の歴史的な建物を眺めながら、食文化も運んだ国内最長の川・信濃川の水運を辿ります。夕方以降に立ち寄って、アフタヌーンクルーズやサンセットクルーズ(3月下旬~11月末)に乗船すれば、新潟市のまた違った一面が見られそう。
3
今代司酒造
-
栗ノ木川が流れていたことで輸送の便がよかったため、両岸に味噌・醤油の醸造元や酒蔵などが立ち並び、発酵の町として栄えた沼垂(ぬったり)地区。新潟駅から程近いこのエリアに、1767年創業の由緒正しき酒蔵今代司酒造はあります。酒蔵では新潟のお酒の歴史や酒造りについて楽しく学べる無料の酒造見学が可能。そのほか、10種類以上の純米酒のテイスティングや、直売店でのショッピングができます。酒蔵見学を通して、新潟の発酵文化へ想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
4
峰村醸造
-
旧沼垂市場のレトロな長屋通りを改築した沼垂テラス商店街からほど近い場所にある1905年創業の峰村醸造。歴史的な2つの蔵を曳家(ひきや)で動かしリノベーションした直売店では、味噌や漬物などさまざまな商品が販売されています。また、味噌キャラメルチーズケーキや、直売店限定の味噌ソフトクリームといったオリジナルスイーツも人気です。予約制の「味噌仕込み体験」(要問合せ)に参加すれば、作った味噌を自宅で発酵させてオリジナルの味を楽しめます。
5
KITAMAE
-
江戸時代から明治時代に瀬戸内から北海道まで日本海側の寄港地を巡りながら行商した「北前船」にインスパイアされた、食べ物や工芸品を扱う産地直送のセレクトショップKITAMAE。600店舗以上の生産者やメーカーへ10年以上かけて取材したスタッフが選んだ、本当におすすめしたい新潟の逸品を販売しています。自分に、友人に、新潟の特別なお土産探しに立ち寄ってみてください。
6
新潟市内散歩〜ホテルに宿泊
-
1日の終わりには、街中をゆったりお散歩。オススメは、信濃川沿いに整備された水辺の公園〈やすらぎ堤〉。春には桜やチューリップが咲き、市民の憩いの場として愛されています。夜には新潟の夜景を楽しむのも◎。また、古町エリアに宿泊するなら、標高12.3mの〈日和山(ひよりやま)〉も、港町・新潟を感じられるユニークなスポットです。実はこの低山、江戸時代には、信濃川河口の港を見渡すために街で一番の高台として活躍していました。新潟ならではの歴史や地理のおもしろさを感じてみてください。歩き疲れたら、市内のホテルでゆっくりおやすみください。
7
山﨑糀屋
-
北前船で北海道からきた「身欠き(みがき)ニシン」(ニシンの干物)は、山間地では貴重なたんぱく源でした。各家庭で作られる郷土料理「ニシンの糀漬け」は、丁寧に下ごしらえしたニシンを糀と天日塩に漬け込むことで、骨までやわらかく濃厚な味わいに仕上げます。そんな阿賀町津川の発酵食・保存食の文化を伝えるお店が山﨑糀屋。ニシン以外にも、特別配合で作る糖度が高く発酵力の強い「生黄糀」や香り高い味噌など、身体にいいさまざまな発酵食品を販売しています。糀の力でツルツル美肌を保つ元気な女将に、糀菌パワーについて教えてもらうのも楽しみのひとつ。雪国らしい津川の雁木(がんぎ)のある町並みも必見です。
8
阿賀野川沿いをドライブ
-
北前船で新潟港にあがった品物は、阿賀野川の水運で阿賀や福島県の会津地方まで運ばれました。モノと人が行き来した豊かな川の流れに沿ってドライブしながら、五泉市方面に向かいます。
9
亀徳泉
-
山の中にぽつんと佇む亀徳泉は、新鮮な鯉料理が自慢の割烹。1880年に鉱泉を見つけた初代が温泉宿を開いたのが始まりという長い歴史があります。この地域の美しい湧き水を張った池で鯉を1週間以上泳がせることで、泥や餌を吐かせて淡水魚の臭みが消え、身がきゅっと引き締まる。これがおいしさの秘密です。鯉の洗い、鯉の甘露煮、鯉こく(味噌で煮立てた汁物)と、それぞれ違ったおいしさが味わえる鯉料理のコースが一番人気です。
10
ラポルテ五泉
-
新潟市から車で40分ほどの五泉市にある複合施設ラポルテ五泉。五泉市が誇るニットや絹製品、地元の特産品などを販売するショップで買い物したり、カフェテリアで地元食材を使ったピザやカレー、スイーツなどを堪能したりしながら、ゆっくりとした時間が過ごせます。室内には木製の広いすべり台やクライミングウォールがある「子どもの遊び場」、外には遊具のある大きな広場があり、思いきり体を動かして遊ぶこともできます。
11
さくらんど物産直売所「よりね家」
-
五泉市で採れた農産物を買うなら、よりね家がオススメ。地元農家が丹精を込めて育てた、安心・安全・新鮮な食材がおトクな値段で販売されています。名物のお米はもちろん、里芋や銀杏、竹の子、山菜などの特産品や、漬物・惣菜などの加工品、そして竹細工などの工芸品も。日帰り温泉施設さくらんど温泉が隣接しているので、お買い物のあとは源泉湯に浸かって疲れを癒やすのもいいでしょう。
12
三川観光きのこ園
-
実は新潟はきのこの名産地。阿賀町の三川観光きのこ園では、きのこ狩り体験ができます。マイタケやナメコ、エリンギといった馴染みのある種類から、シロヒラタケやタモギダケといった珍しい種類まで、約10種類のきのこが栽培されています。訪れる時期によって収穫できるきのこが変わるのも楽しみのひとつ。敷地内のレストランではきのこBBQが楽しめます。
13
咲花温泉
-
2日目は五泉市にある阿賀野川沿いの温泉郷咲花温泉に一泊。昔、この地域に湯花が噴出していたところから名前がついたといわれています。エメラルドグリーンの美しいお湯は、美肌の湯として親しまれてきました。硫黄が強すぎないため刺激が少なく、老若男女安心して入れます。夕食はそれぞれの宿で、新潟の食材を堪能できる会席料理を楽しみましょう。
14
善作茶屋
-
加茂市街地から加茂川に沿った県道9号線に佇む善作茶屋は、明治初期から150年以上つづく老舗です。看板メニューは美しい湧き水を活かして作ったトコロテン。店前の石の水槽の中で冷やされていて、注文すると、女将さんがトコロテン突きでニュルっと押し出してお椀に盛ってくれます。トコロテンに酢、醤油とカラシをつけ、店前のベンチに腰掛けながらお箸一本で食べるのが粋です。
15
漢学の里 諸橋轍次記念館
-
『大漢和辞典』を編纂するなど、漢学研究に大きく貢献した諸橋轍次(もろはしてつじ)博士。生まれ故郷の下田村(現・三条市)には、その功績を記念した漢学の里 諸橋轍次記念館があります。三条市の名勝・八木ヶ鼻の岩壁の色をイメージしたレンガ造りの建物に、諸橋博士の遺品・遺墨(いぼく)や貴重な資料が展示されているほか、漢字クイズコーナーなどもあり、大人も子どもも一緒に漢学の世界を楽しめる施設です。広々とした庭園も併設されており、自然もゆったり堪能できます。
16
道の駅 「漢学の里しただ」
-
土地の名物が食べられる道の駅でランチタイム。三条市下田の〈道の駅 漢学の里しただ〉のなかにある農家レストラン 庭月庵 悟空では、地元の農家さんが大切に育てた安心・安全な食材を使った手作り料理が楽しめます。そこでぜひ試したいのが、下田のマタギが携帯食として持ち歩いていた「ひこぜん」。炊いたお米を潰してワラジ型に整え、木に刺して特製の味噌で味付けし、炭火で焼いて作られます。そのほか、上質な脂が乗った地元産の三条ポークの生姜焼きや、手打ちそばなどもあり。
17
八木ヶ鼻
-
高さ200m以上の岩壁がそそり立つ八木ヶ鼻は、五十嵐川の上流に鎮座する下田郷のシンボルです。朝日に照らされる姿は神々しく、「にいがた景勝100選」の一つに数えられています。季節によって見せる印象が異なり、とくに秋の紅葉と冬の雪景色は圧巻です。また、ここは県の天然記念物であるハヤブサの繁殖地にもなっており、自然界にとっても重要な場所です。
18
燕市産業史料館
-
燕市は、江戸時代からつづく金属産業の町。和釘づくりを起源に、鎚起銅器をはじめとした伝統工芸技術を発展させ、現在の日用品から工業製品までさまざまな製品が私たちの日々の生活を支えています。燕市産業史料館では、さまざまな製品の製作工程をわかりやすくまとめた資料や、復元した作業場、現在活躍する作家の作品などの展示を見ながら、金属産業を知ることができます。「ぐい吞み製作」や「錫の小皿づくり」など、ものづくり体験プログラムも充実。ここでしか作れないオンリーワンの作品を、旅の思い出にしてみてはいかがでしょうか。
19
道の駅 「燕三条地場産センター」
-
燕三条は、作業工具や刃物、洋食器などの製作を中心に、ものづくりのまちとして発展してきました。その歴史や職人たちの活躍を知ることができるのが、道の駅 燕三条地場産センター。物産館では特産品を買えるだけでなく、「スプーン磨き」や「包丁研ぎ」(要予約)といった各種プログラムが体験できます。産業と観光を繋ぐ空間で、燕三条に対する理解を深めてみませんか。