美食とアートに酔いしれる旅へ 新潟・佐渡の風土が育んだ“恩恵”を 全身で感じる、贅沢体験

2泊3日コース
車、フェリー
目も舌も満たされる美味に出合える佐渡島
3年に1度、「さどの島銀河芸術祭」が開催される佐渡島はアートも盛んです。さどの島銀河芸術祭がない年でも気軽にアートに触れることができるスポットも点在。

また、島という限られた土地にもかかわらず、食文化はじつに豊か。天然の素晴らしい食材を生かしたハイレベルな食を展開するレストランなど、「食と芸術」を堪能する旅をご案内します。新潟市も織り交ぜて、「美食とアートに酔いしれる新潟・佐渡旅」をたっぷりとどうぞ。

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「美食とアートに酔いしれる新潟・佐渡旅」
2泊3日モデルプラン

【DAY.1】
「あいぽーと佐渡」でアート鑑賞
↓クルマで約5分
「caMoco café 湖ASOBi」でランチ
↓クルマで約5分
「両津カトリック教会」を見学
↓徒歩約5分
「TAACHI」でアート鑑賞
↓クルマで約35分
「La Plage」でディナー

「Ryokan 浦島」に宿泊

【DAY.2】
「Ryokan 浦島」で朝食
↓クルマで約15分
「蓮華王山 妙宣寺」を散策
↓徒歩約1分
「森と火と食をつなげるラボ LA PAGODE」でランチ
↓クルマで約30分
「Wakarimasen」を見学
↓徒歩約10分
「ガシマシネマ」で映画三昧
↓クルマで約15分
「SEISUKE next door」でディナー

「Guest Villa on the 美一」に宿泊

【DAY.3】
朝食後、両津港から新潟港へ
↓クルマで約50分
「カーブドッチ」でワイナリーツアー&ランチ
↓クルマで約5分
「わらアートまつり」を見学(秋の期間限定)
↓クルマで約45分
「新潟市美術館」でアート鑑賞
START

1

佐渡汽船 両津港

新潟港から、佐渡島の両津港へ

新潟〜両津間までジェットフォイルなら67分、カーフェリーであれば2時間30分の船旅。

両津港に着いたら車をレンタルしましょう。

車で来た方は、カーフェリーで。マイカーと一緒に佐渡へ渡れます。

クルマで約1分

2

あいぽーと佐渡

両津港からすぐ。ふらっと立ち寄れるアートスポットへ

両津港に到着したら早速アートスポットに足を運んでみましょう。歩いて5分ほどの位置にある「あいぽーと佐渡」は、誰でも立ち寄れるインフォメーションセンター。多目的ホールを中心に、催事スペース、調理室、会議室などがあり、写真展やイベント、マルシェなどが開催されます。

さどの島銀河芸術祭の開催時期は会場にもなっており、1階にはフランス人作家のシャルル・ムンカ氏の作品展示も。凸凹の上に紙をのせ、擦ることで素材のテクスチャーをそのまま写し取る「フロッタージュ」という技法を使った作品は、自然が生み出す模様の面白さや、人の手で掘られたさまざまな彫刻の形状を楽しめます。

クルマで約5分

3

caMoco café 湖ASOBi

のどかな世界に浸りながら、湖畔でパスタランチ

さくっとアート鑑賞をしたら、加茂湖のほとりにある眺めのいい場所でランチタイム。

「caMoco café 湖ASOBi」は、築50年ほどの舟小屋を改装したカフェレストラン。店内の大きな窓からは、加茂湖と大佐渡山脈を一望でき、穏やかな景色とともに、地元産食材を活用した料理を味わうことができます。

パスタやラザニア、プレートランチといったランチメニューから、「佐渡産魚介とオリーブのトマトソースパスタ」をチョイス。じつはオーナーが牡蠣漁師ということもあり、冬場から春先にかけては、加茂湖産の牡蠣を使ったメニューが登場するそう。

佐渡は県内唯一の養殖牡蠣産地。汽水湖と呼ばれる海水と淡水が混ざった水質の加茂湖では、エサになるプランクトンも豊富。臭みがなく、おいしい牡蠣が育ちます。

採れたてプリプリの牡蠣を使った料理はもちろん、寒ブリやサーモン、サクラマスといった四季折々の佐渡食材を堪能できるのも魅力。店内には、アート作品の展示やグッズ販売もあり、身近なアートを楽しむことができます。

クルマで約5分

4

両津カトリック教会(見学は要予約)

白色が映える木造の教会にみる、クラシックの美

後は両津商店街のほど近くの一角で、静かに佇む佐渡カトリックの拠点へ。

キリスト教が佐渡に伝わったのは江戸時代だといわれます。「両津カトリック教会」はフランス人のドルワール宣教師によって明治12年に創設されました。明治16年に焼失後、明治20年に再建。島民が選んだ、島の宝「佐渡100選」の一つでもあります。

設計は京都「聖ザビエル天主堂」(現・明治村移築)「鶴岡カトリック教会 天主堂」など、当時多くの教会建築を手がけたパピノ神父によるもの。歴史的建造物として貴重なだけでなく、畳敷きの和洋折衷の空間がかわいらしい教会で趣があります。

徒歩約5分

5

TAACHI(ターチ)

商店街の日常をさりげなくアートで彩る

両津商店街には「TAACHI」という現代アートギャラリーもあるので、クラシカルな美を堪能したあとに覗いてみましょう。街づくりの拠点ともなるギャラリーで知的好奇心を刺激。佐渡のポテンシャルの高さを感じることができます。

※現在改装中。2024年春リニュアールオープン予定。

クルマで約35分

6

La Plage(ラ プラージュ )

このフレンチを目当てに島を訪れる価値あり

新潟ガストロノミーアワードを受賞した「Ryokan 浦島」は、佐渡で注目のオーベルジュ。浜辺に面した1階にフレンチレストラン「La Plage」があり、人気を得ているのが、島黒豚や佐渡牛を使った優雅なフルコース。新鮮な魚介や季節の野菜など佐渡の食材をふんだんに盛り込んだメニューで、これを目当てに島を訪れるファンも多いそう。

なかでも、島内の放牧によってストレスのなく育てられた島黒豚は、きめの細かい肉質と上品でうまみの強い脂身が特長で、パテやコンフィなどでいただけます。この日は希少な佐渡牛もじっくりと火入れしたステーキで登場。肉質はとびきりやわらかく繊細で、あっさりまろやかな味わいに思わずうっとり。須藤シェフが山で摘んできたナツハゼの野性味ある甘酸っぱい赤ワインソースともよく合います。

この島ならではの新鮮で質のいい魚介に、香りがよくて味が濃い、採れたての野菜やフルーツなど、美しいフルコースでいただくと一つの物語を味わっている心持ちに。

7

Ryokan 浦島

佐渡の自然に包まれる

料理のみならず、建築にもこだわった「Ryokan 浦島」での宿泊体験は、過ごすだけで芸術体験といえます。遠浅で穏やかな浜辺を眼下に望む立地に、それぞれ異なる建築家が設計した建物。佐渡の自然と調和した「東の館」は内藤廣氏が、ガラス張りでモダンな「南の館」を北山恒氏が設計を手がけています。

東の館は、部屋へとつながるアプローチには絵画や休憩できる椅子なども配置され、ゲストを優しく迎えてくれます。部屋の窓を開ければ、眼下に松林と真野湾が広がり、波の満ち引きの音が静かに響きます。朝は太陽の光が松林に反射してキラキラと輝く光景も楽しめます。

南の館の受付では、看板犬のハリー(グレート・ピレニーズ)がお出迎え。

【DAY.2】スタート

8

「Ryokan 浦島」の朝ごはんで至福のひととき

洋食か和食を選べる「Ryokan 浦島」の朝食は、佐渡産の食材でビタミンたっぷりの洋食メニューをセレクト。和食の場合も佐渡づくしで、玉手箱のような2段重ねの重箱で供されます。どちらも前日までの予約でビジターでも利用可能。

美食からはじまる2日目は、伝統的な日本の美を求めて、五重塔で知られるお寺を訪ねます。

クルマで約15分

9

蓮華王山 妙宣寺

伝統が織りなす、日本の建築美

日蓮上人ゆかりの名刹へ。「蓮華王山 妙宣寺」の境内には、新潟県で唯一現存する五重塔があり、国の重要文化財に指定されています。紅葉の名所としても人気です。

1278年、佐渡配流の日蓮上人に仕え、法華経信者になった遠藤為盛(阿佛房日得上人)が、妻の千日尼とともに自宅を寺として開いたのがはじまりだと伝わります。どこか城跡の雰囲気が感じられるのは、中世に佐渡を支配した本間氏の居城「雑太城」であったということもあるようです。

徒歩約1分

10

森と火と食をつなげるラボ LA PAGODE(ラ・パゴッド)

妙宣寺の前で、とびきりおいしいランチを

妙宣寺の五重塔を見学したら、目の前のカフェレストラン「LA PAGODE(ラ・パゴッド)」へ。店名は、フランス語で東洋風の塔を意味するそう。

2022年秋にオープンしたお店のコンセプトは、薪焼きを主体とした「森と火と食をつなげるラボ」。都会では設置が難しいフランスの石窯を導入し、高温料理から徐々に温度の低い料理へと変えて、さまざまな料理を焼き上げています。

石窯の温度は400度まで上がるそうで、最初は1~3分で焼き上がるピザ、少し温度が下がったらパン焼き、それから余熱でロースト料理など、一度の火入れでさまざまな料理が続々と誕生します。

ランチはフランス式オープンサンドのタルティーヌが主体で、祝日と週末にはピザの日もあるそう。濃厚なパテにピクルス、燻製サーモンにクリームチーズ、なすとパプリカのコンフィなど7~8種類ものメニューから、平飼い卵を使ったタルティーヌを選択。「海のもの」「山のもの」「里のもの」を味わえる佐渡産の食材を使ったアラカルトにスィーツまで、魅力的なラインナップにときめきます。

インテリアにもこだわっている店内には、能楽の足の運びを表現したというアート作品なども展示。

クルマで約30分

11

アート作品《Wakarimasen》

日本海に響かせたい現代音楽家テリー・ライリーの作品

さどの島銀河芸術祭では、永続的なモニュメントも製作され、佐渡島を彩ります。2022年に加わったサウンドモニュメント《Wakarimasen》は、ミニマルミュージックの創始者のひとり、現代音楽家の巨匠テリー・ライリー氏が北沢浮遊選鉱場に捧ぐ新曲《Wakarimasen》とあわせてデザインしたもので、彼が最初に覚えた日本語のひとつ「わかりません」からインスピレーションを得たそう。

大地からにょきっと腕が出て、指にはチャイムがぶら下がり、風に吹かれたり木製のバチで叩いたりするとメロディーを奏でられる作品です。どう叩くかは鑑賞者の自由。相川の海辺で地元の人や観光客の目を楽しませています。

※冬季は強風のため、サウンド体験はできません

徒歩約10分

12

ガシマシネマ

佐渡島唯一の“エモい”映画館

かつて鉱山都市として栄えた相川エリア。風情感じる京町通りを歩いての歴史散歩の足休めに映画鑑賞もおすすめです。京町通りにある「ガシマシネマ」は個性豊かな作品を上映するこの島唯一のミニシアター。佐渡金山鉱山長の旧住宅をほぼDIYで改装したというレトロな空間に、新鮮な「非日常」を体験できます。

上映後は居心地のいいカフェでゆったりするもよし、映画という共通言語を持った初対面の人と語るもよし。

クルマで約15分

13

Guest Villa on the 美一

快適な島旅を体感できる宿にステイ

真野湾に面した佐和田海水浴場前にある「Guest Villa on the 美一」が2日目の宿泊先。日があるうちにチェックインすると、ガラス張りのリビングや廊下から海が一望できます。1階にはレストランやファンクションホールがあり、よもぎ蒸しをベースにしたボタニカルサウナでリフレッシュも。

2階にはリビングやキッチン、寝室があり、寝室以外の空間がシェアスタイルになっています。共有スペースはオーシャンビュー。キッチンには食器や調理器具が充実し、冷蔵庫に佐渡牛乳やへんじんもっこの食材なども揃っているので、自ら調理することも可能です。

完全個室となるベッドルームに力を注いでおり、寝具のセレクトショップ「minka-眠家-」が寝具やパジャマ、シャンプーまで手がけています。睡眠と環境にやさしいベッドシステムに、一度寝たらやみつきになると評判の枕、シーツや枕カバーはサラサラで気持ちのいいリネン素材で、眠ることも楽しみな宿です。

荷物を置いてひと段落したら、とっておきの一皿を満喫するため1階へ。

14

SEISUKE next door

進化する“和発酵フレンチ”でディナータイム

ディナーは、山海の恵みを自在に扱う「SEISUKE next door」へ。「Guest Villa on the 美一」の1階に併設しています。割烹から修行をはじめ、渡仏してフレンチの名店で研鑽を積み、オーストラリアではイタリアンレストラン経営といった経歴を持つ尾﨑邦彰シェフが手がけるのは“和発酵フレンチ”。

尾﨑シェフは発酵食を代表する味噌や醬油を、麹菌から育てて料理に取り入れているそう。牛肉の熟成にはもろみを使い、自家製醬油麹をベースにソースを作るなど、さまざまな用途で使用。「麹菌のプロテアーゼという酵素には、たんぱく質を分解する働きがあるので、焼いたときにお肉はやわらかくなり、旨みもぐんと増します。発酵食はからだにもやさしいですよ」。

こだわり抜いた地域食材と手づくりの発酵食材をさりげなく取り入れた独創的な“和発酵フレンチ”の世界を味わったら、2階のゲストハウスで余韻に浸りましょう。

【DAY.3】スタート
クルマで約30分

15

【DAY.3】 朝食後は両津港から新潟方面へ

朝の便に乗って、新潟港へ向かいましょう。
新潟港に着いたらレンタカーを借りるのがおすすめです。

クルマで約50分

16

カーブドッチワイナリー

ワイン造りの真髄に触れる、ワイナリーツアー

日本酒で知られる新潟ですが、ワインにも注目が集まっています。せっかく新潟を経由するなら、美食の旅には外せないワイナリーも見学したいもの。

新潟市街から南西方向にクルマで約30分ほどの海沿いの砂丘地にあるのが「カーブドッチ」というワイナリーです。カーブドッチでは、毎日11時からワイナリーツアーを行っています。

カーブドッチはワイン造りをはじめて30年。この地の砂質土壌に合う品種、アルバリーニョをはじめ、約9ヘクタールのぶどう畑に18種類ほど栽培しているそう。ツアーは風光明媚なぶどう畑からスタートし、醸造室、樽熟成庫、セラーなどを巡りながら、ワイン造りの現場を間近に、ワイナリーの歴史や造り手の想いに触れることができます。

ワイナリーツアー終了後は、レストランに移動して、ガーデンやぶどう畑を見渡しながらコースのランチに魅了されるひとときを。

クルマで約5分

17

わらアートまつり

ちょっと寄り道して、米どころならではのアートを鑑賞

秋はタイミングが合えば、躍動感溢れる「わらアート」も楽しめます。カーブドッチの近くで開催されていた「わらアートまつり」に立ち寄ってみました。

新潟市西蒲区の魅力を伝えるために、毎年秋に「稲わら」を活用したアート作品が武蔵野美術大学などの学生の手によって制作されます。
※2023年のアート展示は終了

18

新潟市美術館

モダニズム建築の空間で、前川ワールドにどっぷり

新潟市まで来たなら日本を代表するモダニズム建築の巨匠、前川國男が最晩年に手がけた建物も必見です。

1985年に開館した「新潟市美術館」は、建物そのものが魅力の一つ。大きな特徴となっている外壁は、前川が長持ちする建築を目指して独自に開発した「打ち込みタイル工法」によるもの。向かいの「西大畑公園」も前川の設計で、両敷地には同じ工法でレンガが敷かれ、柳並木と堀割という、かつての新潟の街を再現といった趣向が凝らされています。

打ち込みタイルが美しい建物の見どころは質感。オリーブグリーンのタイルは、一枚一枚微妙に色味が異なり、刻々と変化する光によって周囲の木々と一体化したり、雨の日は艶やかな黒に似た色合いに変わったりと、さまざまな表情を見せます。

館内には、公園の景色を眺めながら寛げるカフェもあるので、アート鑑賞後にひと息して帰路へ。

GOAL

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