胎内市の魅力を引き出し、ワクワクすることをしたい/胎内市


2024年02月09日 671ビュー
ある時はフォトグラファー、またある時は英会話講師、そして管理栄養士の経験を生かして仲間と運営するキッチンカーのフードやドリンクメニューを開発する一面も。いくつもの顔を持つ平野伸哉さんですが、その根底には「地元が好き」という言葉だけでは言い表せないさまざまな感情があるといいます。笑顔の内側に秘めた、想いや夢とは。平野さんが仲間と立ち上げた「BASE CRAFTER」の活動拠点を訪ねました。
平野 伸哉
1995年、胎内市村松浜生まれ。村上高校を卒業後、新潟医療福祉大学に進学し管理栄養士の資格を取得。卒業後は東京で管理栄養士として働き、1年後にUターン。阿賀町立三川小学校・中学校の管理栄養士として勤務する。2020年に退職後、ワーキングホリデーで海外渡航を予定していたものの、新型コロナウイルスの影響で直前に国境が閉鎖し断念。フリーランスのフォトグラファーとして活動を始める。2021年、胎内市出身・在住の同世代5人と「BASE CRAFTER」の活動をスタートする。

地元のあふれる恵みを大切に生かす

―いろいろな顔を持つ平野さんですが、まず、「BASE CRAFTER」ではどんなことをしているのですか?

「胎内市を人が集うまちへ」を合言葉に、さまざまな活動をしています。胎内の食材を使ったフードやドリンクを提供するキッチンカーの運営、商品開発、マルシェなどのイベントも開催しています。
胎内市でのマルシェの様子。市外のイベントに出店することも多い
BASE CRAFTERのキッチンカー
メンバーは胎内市出身・在住の5人。平野さん(中央)、デザイナーの小熊龍太郎さん(右から2人目)をはじめ、農家の桐生佳樹さん(左から2人目)、乙まんじゅうやの久世圭介さん(右)、作曲家のコウスケさん(左)も大切な仲間
―BASE CRAFTERという名前の由来は?

BASE CRAFTERが目指すのは、胎内市の人口流出を減らし、関係人口を増やして豊かな胎内市を作ること。最終的には移住者が増えることが理想なのですが、「まずは自分たちの世代で基礎を作ろう」という思いから名付けました。表向きには地域活性化は押し出さず、胎内市の既存の資源を生かして面白いコンテンツを作ることに重点を置いています。その方が自分達も楽しく活動できますから。


―商品開発では、どんなものを作っているのですか?

こちらは大長谷(おおながたに)という集落にあるハーブ畑で育てられたラベンダーを使ったシロップです。余って使い道がなかった茎や葉の部分を主に使っています。もともとキッチンカーのドリンクメニューとして出していたので、シロップを作るにあたっては同じ味を出せるように試行錯誤しました。仕入れ先は、大長谷集落に加えて胎内市の花農家「URA mizusawa flower farm」さんにもお願いしています。ハーブシロップは今後シリーズ化する予定で、試作を重ねているところです。
ラベンダーシロップ 250ml 2,500円。炭酸水で割ったり、ジンなどのお酒で割ってもおいしい。アイスクリームやパンケーキにかけたりするのもおすすめ。ラベルはBASE CRAFTERの小熊さんのデザイン
ラベンダーを提供してくれた大長谷集落の生産者さん
―人気メニューを商品化したんですね。キッチンカーでは他にどんなものを提供していますか?

定番はおにぎりです。胎内市の山のふもとにある持倉集落の農家さんから直接お米を仕入れ、具材も市内や周辺地域から仕入れた食材を使い、手作りにこだわっています。

よもぎやミントなどもドリンクにしています。キンモクセイのソーダも香りが良くておいしいですよ! おにぎり以外のフードメニューで使用する米や食材も、胎内市や近隣の農家さんやお肉屋さん、豆腐屋さん、魚屋さんで仕入れています。

意識しているのは、地元の食材や資源を有効に活用すること。出したいメニューに合わせて新たに食材を探したり作ったりするよりも、使いきれずに余っているものや手に入りやすい胎内市の食材からメニューを考えています。
食材の産地や仕入れ先をボードに表示している

仲間がいて、目標があるから活動できる

―メニュー開発の方向性に、平野さんの地元愛を感じます。

そうですね。私が胎内市で活動しているのは、BASE CRAFTERの仲間がいて、胎内市にたくさんの人に来てほしいという目標があるからです。キッチンカーに食材と仕入れ先を書いたボードを掲げているのは、自分たちの活動が何によって支えられているか、常に意識して感謝を忘れないためです。
地元への想いを語る
お客様に「おいしい」の言葉をいただけるとうれしいですね。上を見ればもっとすごい料理を提供する方は世界中にたくさんいますが、僕たちは胎内市の食材を生かすことに重点を置いているからこそ、注目していただけたり、応援していただいたり、何よりも自分たちがやっている意義があります。

「胎内市出身」であることが僕たちの何よりの強み。地元に住む若者が、自分の地元に自信を持って好きだと言えて、楽しくお仕事をさせていただく姿を、多くの同世代や子どもたちに見てもらえるとうれしいです。
マルシェなどのイベントを通じて仲間の輪が広がっていく
―平野さんご自身の経歴も教えてください。

中学生くらいから食に興味を持ち始め、管理栄養士を目指して大学で資格を取りました。社会人1年目は東京の企業で、2〜3年目は阿賀町の学校で管理栄養士として勤務しました。

旅行が好きで、東京にいた頃はアクセスの良さを生かしていろんなところへ行きました。たくさん写真を撮るためにカメラを購入し、そうこうするうちに海外の友達もできました。

外国人の友達ができたことで海外への興味が膨らみ、新潟にUターン後、しばらくしてからワーキングホリデーに行こうと決意しました。でもその直後コロナ禍になって…。海外に行くつもりで退職していたので、突然無職になってしまいました。


―まさかの展開ですね。

そうですよね。でも僕自身は慌てることもなく、「そのうち収まるだろう」と農家さんの収穫作業を手伝ったり、好きなカメラを生かしてフリーランスのフォトグラファーとして活動し始めたりしました。

ワーキングホリデーに行く前には、英語を勉強していました。YouTubeを見たり、外国人の友達と会話したり。せっかく身につけた英語力を失わないように、英会話教室の講師をやることにしました。
学生時代、英語は大の苦手だったとか。「英会話は何歳からでも身につきますよ。僕もほぼ独学でした」
今は新発田市や三条市で子どもから大人まで多くの方に英会話を教えていますが、いずれ胎内市でもできたらいいなと思います。管理栄養士、フォトグラファー、英会話講師と、いろいろな土地で経験してきたことを、いま、地元胎内で一本化しているような感覚です。
さまざまな経験をしてきた平野さんがたどり着いた「BASE CRAFTER」

いろいろな人が挑戦できる場を、胎内市に作りたい

―今後はどんなことをしていきたいですか?

胎内市にはたくさんのプレイヤーがいます。自分たちがBASE CRAFTERの活動を始めた頃は、多くの方に支えていただきました。実績も何もない若者たちにイベントの会場を貸してくださったり、イベントを宣伝していただいたり、地元の同級生が運営を手伝ってくれたりと、自分たちだけでは活動を続けることはできませんでした。
だから自分たちもそんなふうに、いろいろな人が新しく挑戦できる場を作りたいですね。
「お金を稼ぐことは大事。きれいごとや熱量だけでは、地域おこしはうまくいかないと思います」
―最後に、地元のお気に入りスポットを教えてくだい。

アイスランドをテーマにした「カフェダル」は大好きなお店。ドリンクやパフェメニューがたくさんあるのですが、ランチもおいしいです。僕が好きなのはロイヤルティーカカオ。紅茶とチョコレートシロップが合わさった絶妙な味。普段、甘いものはあまり食べないのですが、これは大好きです。
平野さんおすすめのロイヤルティーカカオ(520円)と、アイスランドの味を再現したスヴィスモッカ(540円)。どちらもふわふわのクリームがたっぷり乗っている
一人でも入りやすく、ホッとできるカフェ
もう一つのお気に入りは海。生まれ育った村松浜を見ていると、気持ちをリセットできます。広い海を目の前にすると「この先はちゃんと世界とつながっているんだ」と思えるのがいいんですよね。
村松浜からの眺め(平野さん撮影)
風力発電の風車を間近に見ることができる(平野さん撮影)
BASE CRAFTER 拠点

BASE CRAFTER 拠点

胎内市本町5-7
営業日やマルシェの情報はSNSをチェック

café Dal カフェダル

café Dal カフェダル

胎内市西条53-17
0254-28-7776
9:00〜17:00(LO16:30)
火曜、第3月曜休み

URA mizusawa flower farm

代表者 比企 美穂
お問合せ uramizusawa2021@gmail.com

この記事を書いた人
新発田地域振興局 魅力見つけ隊

地元には、地元しか知らない素敵な魅力がたくさん詰まっています。
王道はもちろん、地 元あるあるネタまで、分かりやすくお伝えします。