春爛漫 花ざかりの佐渡へいらっしゃい!花の達人たちに聞いた見ごろ見どころおすすめスポット/佐渡市


2022年04月26日 10000ビュー
島開きに合わせて満開となった桜も舞い散り、今は真野湾 八幡のチューリップ畑が満開。
新潟県オリジナル品種「恋心」が見頃です。
「花の島 佐渡」の名の通り、春から秋にかけて山野草、バラ、トビシマカンゾウ、ひまわり畑や秋桜と、佐渡島は色とりどりの花で彩られます。
遊びに仕事に、せっかく佐渡に来るなら、その季節の花や自然も堪能してほしい。
そこで今回は佐渡の「花の達人」たちに花の見ごろや見どころ、おススメのスポットを色々と聞いてきちゃいました。
彼らからのメッセージを美しい花の写真とともにお楽しみください。

“スプリング・エフェメラル”春の妖精が告げる佐渡の春

「花の島 佐渡」の幕開けを告げるのは“スプリング・エフェメラル”と呼ばれる可憐な山野草たち。
その一部を紹介しましょう。
オオミスミソウ。別名の雪割草の方が有名ですね。早春の里山のヒロインです。
スミレサイシン。早春によく目にします。
カタクリとキクザキイチゲ
カタクリは大佐渡山地を中心に群生地がたくさんあります。

山野草はこれから初夏にかけて種類も増え、山の麓から頂へと開花前線がかけ上がります。
数は少なくなりますが、夏や秋も山野草を楽しめますよ。

山野草開花情報を発信!佐渡トレッキング協議会 事務局 市橋さん

佐渡の山野草のことならこの人に聞け!ということで佐渡トレッキング協議会事務局の市橋さんを訪ねました。
佐渡トレッキング協議会のブログの中の人です。
事務局に入った12年前から山野草に本格的に取り組むようになり、その魅力にすっかり虜になったそう。毎日のように山を歩き、開花情報を発信しています。
佐渡の山野草の魅力は花の多さ、そして他なら山の奥でしか見られないような花が、佐渡だと山の麓で普通に咲いていることかな。」と市橋さん。
貴重な花が生活圏からさほど離れていない場所で見れることに、島外から訪れたトレッキング客はみな驚くそうです。
佐渡の山野草の魅力をあれやこれや聞いていたら「一緒に見に行く?」とのお誘い。
百聞は一見に如かず、山野草観察に同行させていただきました。
この日訪れたのは白瀬登山口。新潟本土側の内海に面していて、金剛山やドンデン高原への縦走路の入り口です。
両津港から20分くらい、登山口ギリギリまで車で行けます。
集落から少し奥に入っただけなのにこの自然感。雪解け水で水嵩の増した渓流の音がとても心地よい。
訪れたのは4月上旬だったので木々はまだ枯れていましたが、新緑の季節を迎えると山笑う綺麗な景色になるのでしょうね。
一緒に歩くのは市橋さんの“相棒”の野草写真家 日田さん。
日田さんは広島在住ですが、佐渡の山野草に惹かれ度々来島、一時期は住んでいたこともあるくらいの佐渡フリーク。
佐渡の山野草の魅力をもっとたくさんの人に知ってほしいと、今回の記事についても写真協力を快く引き受けてくださいました。
お二人とも山野草になると話が止まらない、ニコニコ夢中で語り出す可愛いオジサンたちです♪
それでは出発。登山道をゆっくりと上がっていきます。
それほど急な道ではないですが、トラロープが張られ整備されているので安心です。
山野草を見かけると足を止め撮影会開始。
重い機材を持ちながらのトレッキングですが、お目当ての花を見つけてシャッターを押す瞬間の興奮はたまりません。
この日は福寿草の群生がひときわ目立ちました。春の日差しに花の黄色が映えてみえます。

さて、この先は本格的な上り道。トレッキング装備でない私はここでお別れです。
私が歩いたのは登山口から1km程度でしたが、たくさんの花に出会えました。
登山口へ向かう車窓からもたくさん目にしたし、色んな人から聞いてはいたけど佐渡の山野草の豊かさはやっぱりすごい!
この日の模様はすぐに協議会のブログにアップ。トレッキングに訪れる人たちのために旬の情報を伝えています。
「花との出会いは一期一会。1日ずれただけでかなり変わってしまうからね。」
それだけに、よく行くコースでも毎回発見があり感動することが多いそうです。
佐渡で山野草を楽しむなら、ガイドと一緒に回ることをおすすめします。佐渡の山に精通しているので、その日に一番ベストな場所に連れて行ってくれます。安全に、効率よく、佐渡の山野草を満喫できますよ!」

ガイドについてのお問い合わせなどは、佐渡トレッキング協議会までご連絡ください。

 

佐渡トレッキング協議会 事務局

住所 佐渡市両津夷384-11 あいぽーと佐渡(佐渡インフォメーションセンター)内
TEL 0259-23-4472
FAX 0259-23-4478
メール info@sado-trekking.com

佐渡トレッキング協議会&山歩クラブ会長 塚本さん

佐渡の山野草ならこの人も欠かせません。佐渡トレッキング協議会の山で山歩ガイドクラブの塚本さん。
佐渡の山々を楽しみながら、自然保全の活動を行っています。
小さいころから山好きだった塚本さん。
「佐渡の山はどれも好きですが、特にドンデン高原に愛着がありますね。高校時代には流星群を見に友達とキャンプをしました。以前は牛が放牧されていてのんびりした雰囲気も気に入ってました。」

“シラネアオイ街道”を楽しめるアオネバトレッキング

ドンデン高原といえばアオネバ渓谷のトレッキングが有名ですね。毎年春になると大勢のトレッキング客で賑わいます。
豊富な山野草の中でもお目当てはやっぱりシラネアオイ。別名“シラネアオイ街道”とも呼ばれるほどの群生を楽しめます。
ただしアオネバ渓谷のトレッキングはある程度の登山経験が必要なので、初めての人にはおススメ出来ないそうです。
では、初心者でも気軽に楽しめるコースはありますか?
ドンデン高原を一周するコースはいかがでしょうか。アップダウンはさほどきつくないですし、ゆっくり歩いても3時間程度で回れます。山野草もたくさん咲いているし、何より尻立山頂上からの景色が開放感抜群。お弁当を持ってピクニックも楽しいですよ!」
シラネアオイやカタクリなどの人気の山野草も咲いています。しかも山野草前線の最終地点なのでゆっくり花を楽しめます。
山の頂上にあるドンデン高原はまだ残雪も多いので、普段着で訪れるならゴールデンウイーク明けが良いかも。
6月上旬ころにはレンゲツツジの花も見れますよ。
 
そのドンデン高原は4月23日に山開きが行われ、本格的なトレッキングシーズンに突入しました。
頂上近くの宿 ドンデン高原ロッジも営業開始、すでに多くの予約が入っているようです。
ドンデン高原の魅力は季節ごとの山野草はもちろん、満天の星空や日本海を染める朝日、そして気象条件が合えば眼下に雲海も望めます。
佐渡は山も魅力いっぱいなのです。
 

“裏金北山”の雄大な景色

山野草だけでなく、山でしか出会えない景色もトレッキングの魅力。
塚本さんのお気に入りスポットは平城畑。「国中から見る金北山とは違ったダイナミックな景観に圧倒されますね。」
平城畑は外海府の石花から金北山を目指すルートの休憩スポット。牛が時々放牧されていてのんびりとした景色を楽しめます。
アオネバトレッキングや大佐渡縦走路に比べてあまり知られていませんが、このコースも山野草がたくさん咲いています。

塚本さんもガイドと一緒にトレッキングすることをおススメしています。
「地元の人しか行かないようなスポットも紹介できますし、何より山を愛する人同士、色々お話ししながら山を登るのも楽しいですよ。」

里山の恵みが詰まった発酵食

塚本さんは両津港近くの両津湊で代々続く「塚本こうじ屋」をご家族で営んでいます。
無添加のこうじ味噌や、ふき味噌など旬の食材を取り入れた調理みそなど、佐渡の自然の恵み溢れる商品が並びます。
旅の途中で立ち寄って、山野草や佐渡の山々の話をしながら、佐渡土産として購入されてはいかがでしょう。
塚本こうじ屋

塚本こうじ屋

住所 佐渡市両津湊303
TEL 0259-27-2769
営業時間 8:00~17:00
定休日 日曜
※来店前にお電話することをおススメします

600株以上のバラが咲き誇る三太郎農園のローズガーデン

佐渡の初夏のホットスポットといえば「三太郎農園」のバラ。
500品種600株以上の色とりどりのバラが展示されています。
佐渡市民はもとより観光客にも知られるようになってきました。

美しいバラの競演

オールドローズやモダンローズ、つるバラなどが展示されています。
園内にはバラのトンネルやパラソル、チェアなど様々な演出もあり、来場者を飽きさせません。

独学でファームをプロデュース 三太郎農園園主

三太郎農園は桃やブドウなどの栽培をしている果樹農園。ちなみに三太郎はお家の屋号です。
正面からの写真は照れ臭いとのことで、作業している姿を撮影させていただきました。
果樹を栽培する傍らというよりむしろ今はバラ園の手入れの方が手がかかっていると園主は笑います。
小さいころから花や植物が好きだったそうで、バラも色々な文献を参考に独学で育てています。
バラを育てるだけでなく、展示方法などバラ園全体のプロデュースにもこだわり、毎年何かしら新しい試みにチャレンジしています。
今年は花壇を新設。この場所がどう彩られるのか今からワクワクするな~。
またすぐ近くのエリアに藤棚を計画中。これまた楽しみが一つ増えました。

バラ園は5月下旬~6月末まで。見ごろのピークは6月上旬からとのこと。
「ぜひ多くの人に佐渡のバラを見に来てほしいですね。」訪れる人の笑顔のために今日もバラ園の整備に汗を流しています。
 
三太郎農園

三太郎農園

住所 佐渡市泉乙803-1
開園時期 5月下旬~6月末
開園時間 9:00~17:00
入園料 一般 300円 小中学生 150円

青と緑と黄が描く3色の絶景 大野亀のカンゾウ

佐渡の花を語るなら忘れてはなりません。
佐渡の、そして新潟を代表する絶景スポット大野亀のトビシマカンゾウ
佐渡の北端、巨大な一枚岩の大野亀に自生するカンゾウ。
グリーンミシュランで2つ星を獲得した景勝地ですが、特に初夏台地を埋め尽くす“カンゾウのジュータン”は息をのむほどの絶景。
まさに自然が作り出した奇跡です。
 
カンゾウの丘。
遊歩道からはお隣の二ツ亀も見えます。
大海原にポッカリ浮かぶ2匹の亀さん。のんびり寛いでいるようですね。

カンゾウの守り人 海府観光協会 北沢さん

カンゾウのことを聞くならこの人しかいません。海府観光協会会長の北沢さん。
大野亀のある願集落で生まれ育ち、平成8年から協会の会長になりカンゾウにかかわってきました。
大野亀の近くにある大野亀ロッジの店主でもあります。
かつてこの一帯には牛が放牧されていて、雑草を食べたり糞で土壌を豊かにするなどカンゾウの生育に大きく貢献していました。
しかし放牧がなくなると、雑草が生い茂りカンゾウの数も見る見るうちに減少していきました。
この状況に危機感を持った北沢さん達は、専門家のアドバイスのもと保護活動を開始。
カンゾウの種を育てて苗にしたり、雑草のカヤを刈り取って土の養分にしたりと様々な活動を行ったところ、カンゾウの数も順調に増え、今では50万株100万本以上のカンゾウが開花するようになりました。
この絶景を見に、5月下旬から6月にかけて毎年多くの観光客が訪れます。
北沢さんが好きな景色は、遊歩道を下ったところにある“カンゾウ畑”越しの大野亀
カンゾウの群生が三段畑のように連なり、大野亀の雄大さを感じるそうです。
フォトスポットとしても人気の場所です。

気になるのは今年の見ごろ。今のところ株の生育もよく、ここ最近同様に5月下旬~6月頭ころに満開になりそうですが。
北沢さんが言うには、怖いのはこれから。
「カンゾウの茎がグンと伸びる5月中旬に強風が吹くと、風から守るために首を下げてしまうので、花の生育に影響が出る。」
まだまだ心配が尽きないそうです。
お願い!強い風よ吹かないで~!

カンゾウの開花情報は、佐渡のポータルサイト「佐渡日和」のトピックスで5月中旬より確認できます。
大野亀

大野亀

住所 佐渡市願 
トビシマカンゾウの開花は例年5月中旬
見頃は5月下旬~6月上旬
6月第2日曜にはカンゾウ祭りを開催(2022年は中止)

周辺の集落や学校もカンゾウの保護活動を支援しています。
大野亀ロッジでは地元中学生によるチャリティーグッズも販売しています。
この景観を守るために私たちもできることを協力していきたいですね。
漁師でもある北沢さん。大野亀ロッジでは北沢さんが釣った魚が盛りだくさんの海鮮丼を食べることができます。
またソフトクリームも人気がありシーズンには行列ができるほど。
大野亀に来たらぜひ味わってほしい逸品です。
 
大野亀ロッジ

大野亀ロッジ

住所 佐渡市願149
TEL 0259-26-2410
営業時期 4月中旬~秋
営業時間 9:00~16:00

花と観光、ダブルで楽しもう! おけさ観光タクシードライバー 冨樫さん

初めての佐渡だったり、土地勘がないという人におススメなのが、観光タクシーで巡る佐渡の花旅。
おけさ観光タクシーには、様々な得意分野を持つドライバーが多く花に強い人も在籍。
その一人が富樫さん。花のコンシェルジュドライバーとして、お客様をご案内しています。
花との出会いは小さいころ父親との渓流釣りの途中に咲いていた山野草に興味を持ったのがきっかけ。
「好きな花は雪割草。可愛らしいところがいいね。」他にクマガイソウやスズムシソウなどがお好きだそうです。
「おススメの花のドライブコースは大佐渡スカイラインかな。」と富樫さん。
沿道沿いにカタクリの群生を眺めることができ、また標高が高いので比較的遅くまで山野草が咲いているそうです。
車窓から、また場所によっては降りて花を楽しめます。
 
大佐渡スカイラインの花スポットのひとつ千竜桜
標高約900メートルにあるミネザクラで、写真家・故天野尚さんが名付けました。
例年5月第2週に見ごろとなります。
自然環境の厳しい場所に咲いているため、満開が数日しかなく“幻の桜”とも呼ばれています。
桜の木の下には一面のカタクリの群生。ただ桜より早く咲くので、カタクリを見に行くならゴールデンウイーク頃がおススメです。
千竜桜

千竜桜

住所 佐渡市中興 妙見キャンプ場 「交流センター 白雲台」より車で約2分
満開時期は例年5月上旬

「他にも蓮華峰寺の紫陽花や羽茂の菖蒲、夏場なら小川や栗野江のヒマワリ畑が綺麗かな。」と富樫さん。
花の見学と観光地を組み合わせた観光プランも提案できるので気軽に相談してほしいそうです。
「例えば夏場なら小川のヒマワリと尖閣湾のコース、宿根木に行きたいのであれば周辺の花スポットを経由したり、お客様の希望に合わせて出来るかぎり調整しますよ。」
もしかしたらドライバーさんお気に入りの秘密の花スポットに案内してくれるかも?

「花の島 佐渡」はこれからが本番。
色鮮やかな花に癒されにぜひ佐渡にお越しください!


写真協力 野草写真家 日田 正幸氏
http://9987dayori.blog.fc2.com/ 

佐渡 花のスポット

この記事を書いた人
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小千谷→東京→朱鷺に惹かれて佐渡移住7年目。オカメインコを相棒に”しなしな”暮らしています。佐渡や新潟の旬、話題、グルメ・・・あれやこれや発信していきます。

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