大橋洋食器の店内カフェSAN&CAFEで器を身近に感じながらスイーツをいただく/新潟市


2023年10月12日 2870ビュー
美味しいもの天国の新潟!

美食家新潟人たちの中には、味の探求だけでは飽き足らず、文化背景や土地の持つ魅力をストーリーに込めて食事やコースを提供しているお店もあります。

そんな新潟美食旅(ガストロノミー)の一端を担うアイテムでもある、食器。

今回は、新潟で130年の歴史を持つ大橋洋食器に、同店の食器でスイーツが食べられて、購入もできるカフェがあるということで行ってきました!

新潟ガストロノミーを下支えする大橋洋食器店の「GASTRONOHMY」

【SAN& DUSK( ダスク )  プレート 140】

ガストロノミーとは「美食学」のことで、美味しいのはもちろんですが、その土地に内包された歴史や文化を尊重し、表現し、昇華させた料理を意味します。

実は、飲食店ではないですが、大橋洋食器の運営する業務向け食器ブランド「OHASHI JAPAN」でも「GASTRONOHMY」を掲げているんです。

本来、つづりはGASTRONOMYなのですが
あえて造語で「GASTRONOHMY 」(ガストロノミー) とし、OHASHI(大橋)のOHからHをプラスしています。

そこには、“文化と料理の関係を考察する”という意味を持つその概念の中に、食空間を通じて、地域の文化や技術を未来へつなぐ役割を担う大橋洋食器の決意を込めているのだそう。
そんな想いを掲げ、ホテルや旅館、飲食店向けのオリジナル食器を中心に、近年は家庭向けにデザインしたアイテムの展開を行っている大橋洋食器。

普段は特別な時に使われる食器を、もっと身近に楽しんでもらう提案をするためにカフェを作ったのだそう。そんな、食器が主役というちょっと変わった「SAN&CAFE」に、早速向かいます♪

​大橋洋食器は、新潟駅から約2キロ、車で7分です!タクシーで行ってもいいですし、駅前にあるにいがた2㎞シェアサイクルで行ってもいいと思います♪
駐車場はないので、私はお店からすぐのタキザワガレージに駐車していきました。
駐車場を出て探すとすぐお店を発見!
店内は素敵な食器でいっぱいです!

1階は一般の方も購入できるスペースなので、地元の方も利用されるそう。ゆっくり見たくなります!
お目当てのカフェは、お店の2階にあるとのこと。右側にある階段を上っていくと、お店の歴史が垣間見れるアイテムが多々ありました!
もともと、大橋洋食器は1886年(明治19年)に石油ランプを取り扱う会社として創業したのだそうです。
その後、ランプ部品の関係から硝子器や食器全般を展開するようになり、当時ではまだ全国的にも珍しかった洋食器を扱う会社として大橋洋食器が誕生しました。
新潟港開港後、洋食文化の礎を築いたホテルイタリア軒から洋食文化の歴史が広がった新潟だからこそ洋食器のニーズもあったのではないでしょうか。

​そんなことを考えながら2階にのぼっていきます!

大橋洋食器のカフェSAN&CAFE(サンドカフェ)

2階はおおまかに2つの空間に分かれており奥側に、今回の目的のスタイリッシュなカフェ空間SAN&CAFE(サンドカフェ)が!

扱っているブランド、「SAN&」の名前の由来は2つあり、

①特別な食事を意味する『餐』と共にある器
②三度の食事に少しだけ彩りを加える器


の意味が込められているそうです!
店内は落ち着いた雰囲気で、
カウンター席と、
テーブル席もあります。

今回はテーブル席でスイーツをいただくことにしました。
ちょっといい洋食器って、買うのに少し勇気がいりますが、買う前に利用できることで日常使いのイメージが持てるのがいいですね♪

食器も、スイーツも楽しめるなんて、ワクワクが2倍になります!
カフェメニューは、季節ごとに変わるのだそう。
メニューの中には、食器に合わせたコンセプトがあるものもありました。

例えば「空うつしのソーダフロート」は、アイスが溶けていく様子と、お皿のグラデーションがまるでマジックアワーを表しているようにリンクするメニューとなっています。

素敵すぎるっ!!!!今回はこちらと「オレンジティラミス」をお願いしました(※季節によってメニュー変更があり、現在こちらのメニューは扱っていません)。
バタフライピーの色がかわいいソーダ来ました!おいしそうだけど上品なたたずまいを感じます。
美しい色に見とれていると……
夕焼けがどんどん変わるように、溶けたアイスがソーダの表情を変えます。それとリンクしている器を見るとその世界に引き込まれそう。

​味も景色も混ざりながら目でも口でも楽しめるのがいいですね。下に添えられたお皿は、スカッとしたソーダをより引き立て、夕暮れに包まれた気分にさせてくれました。
【SAN& 霜天 プレート200】

華やかなティラミスも来ました!こちらは、霜天という涼しげな色味の食器にのっています。爽やかですね。

甘いティラミスに、フレッシュな果物がマッチし、下にしかれたカステラや、さわやかなミントもアクセントとなって味も大満足でした!
多分、お皿がなくても華やかなのですが、下に涼やかな器があることでより一層スイーツが引き立ちます。

大橋洋食器では、主役がのる前の「-1のバランス」を大事にしているのだそう。
驚いたのは、実際に食べて、飲んで、そして食器を再度見ると、器の印象がガラッと変わること。使った器への興味や親近感が湧き、最初見た時より器を素敵に感じられたんです!

大橋洋食器でカフェがオープンしたのは、コロナ禍を受け、すごもりする日常の中で、気分のあがる食器を使いたいというニーズにこたえたいという思いもあったそう。

オープン前から、ホテルや旅館、レストランで大橋洋食器の器に出会い、「食器を見に来たい」と県内外から問い合わせもあり、身近に器を感じられるカフェが生まれました。

店内では利用されている食器の他に、希望すれば大橋洋食器のカタログもみせていただくことができます。

新潟の「ここでしか食べられない」を下支えする大橋洋食器

【OHASHI JAPANの商品が並ぶコーナー】

カフェの向かい側には、こんな素敵なホテルや旅館、レストラン等で使われている会社様向けのスペースがあり、そちらの食器やアイテムもすごく素敵でした(業者様のみ購入可能)。

大橋洋食器さんの食器は、主にフレンチやイタリアンのお店で使われることが多いのだそうです。

最近は新潟らしい「雪」に絡んだストーリーを演出する食器や、お米農家のレストランには米から出るもみ殻を用いた食器をプロデュースすることなどもあったのだとか。
【SAN& SDGs product 「Re:CAFE」】

「こうやってカフェに来た人でも、新潟らしいものに触れられますか?」ときいたらこちらを紹介してくれました。
こちらは、コーヒーのドリップの後にでる出がらしを取り入れた「SDGs食器」のコーヒーカップです。

コーヒーの出がらしは廃棄が難しいという課題と、器の原料不足の問題に向き合う中で生まれました。

出がらしも、新潟市内のコーヒーショップで出たものを使っています。
大橋洋食器では、新潟の「ここでしか食べられない」を、お皿込みで表現できるように、地元の料理人やお店と器を作ることも多くあります。

だからこそ「どこからきて、どこで使われるか」由来が解ることをとても大事にしているのだそうです。
新潟で飲まれたコーヒーが、課題を解決する役割を担って器に生まれ変わり、また手元にやってくるというストーリーがこのコーヒーカップにはあります。

そんなストーリーを持った食器を毎日手に取ることで、自分の意識も変わりそう。

そう思うと、食器は、選び方、使い方で人生に奥行きを持たせることのできるアイテムにもなるんだなと思えました。
カフェの入り口には、利用した食器やコーヒーカップが並んでいます。実際の大きさ、質感、シリーズのセットを見たり、購入したりも可能です。

使っていいと思ったものをすぐ買えるこのカフェのいいところですね。

カフェは9月から完全予約制でお伺いできる時間もできて、よりゆっくり器を選びたい人にぴったりの環境となりました。毎日の食を共にする器と運命の出会いをしてみたい方はぜひ行ってみてください!
SAN&CAFE

SAN&CAFE

住所:新潟県新潟市中央区本町通8番町1352 大橋洋食器2F
電話:(025)2284941
定休日:日、祝日
営業時間:
月~木曜日=事前予約制(11:00~16:30)
金~土曜日=予約なし来店可(11:00~16:30)
※その他不定休の場合あり

駐車場:無 提携駐車場あり
※タキザワガレージ、NPC24H新潟本町通8番町パーキング、ザ・パーク坂内小路
2,200(税込)以上利用で1時間分の駐車サービス券

※大橋洋食器は
定休日:日、祝日
月~土曜日=9:00~18:00
※その他不定休の場合あり

大橋洋食器(SAN&CAFE)

この記事を書いた人
さかもとみき

太平洋側生まれ太陽育ち高知のはちきん(高知で気の強い女)が佐渡島の旦那のもとに嫁ぎました。大好きなものは日本酒、苦手なものは雪。佐渡3年、新潟市1年目。スーパーはピアレマート派。三児のママでライター・コラムニストです! ブログ ⇒ 坂本、脱藩中。(http://sakamotodappantyu.com/