2021年の越後妻有「大地の芸術祭」アートを探しに~「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」「まつだい『農舞台』」「越後妻有里山現代美術館 MonET」へ/十日町市


2021年08月28日 7309ビュー
夏!全国一の暑さを記録する街に住む小柴ぱせりです。
連日暑いですが、市街地よりは気温の低い山間地に、アートを探しに行きました。
 
「大地の芸術祭」とは、2000年から越後妻有(十日町市、津南町地域)で開催される3年に1度の国際芸術祭です。
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2021」は、来年の夏に延期になりましたが、7月22日から「今年の越後妻有」がスタート!準備を進めてきた新作の一部やリニューアルした施設を観ることができます。
 
2000年と言ったら、いまから21年も前!
アートには関心があったものの、新潟市街地から遠いという理由で訪れることなく、長野県転勤の3年間は帰省の通り道だったため、そこに時間を割くこともなく・・・結局、今回が初めての鑑賞です!
楽しみなのですが、暑さに弱い私はどこまで行くことができるでしょうか!レッツチャレンジ!

MonET& まつだい「農舞台」フィールドミュージアム セット券
【料金】一般 2,500 円、小中学生 1,000 円(税込)

鉄道好きなので電車移動も検討したのですが、あちこち回ることを考えて車移動を選択。
まずは「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」の開館時間を目指します。
はりきって出かけたら、早く着きすぎちゃって、その前にすぐ近くの「鉢の石仏」を鑑賞しました。
 
鉢集落の、木立に囲まれ8月なのになぜかうぐいす鳴く森の中、岩肌が苔むして緑鮮やかなこの場所に、なぜ石仏が約200体もあるのでしょうか。禅僧・明屋有照が天啓を受けてここを聖地とし「照利庵」を開いたんだとか。十三仏に十六羅漢に庚申塔などなど、仏様たちは親しみのある顔立ちで和みます。郷土の歴史は好物だったので、出会えてよかったです。

鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館

あらためまして「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」
こちらは中越地震の翌年2005年に閉校した真田小学校を利用して、2009年に絵本作家の田島征三さんが作り上げた空間絵本美術館です。
田島先生の作品は、絵本『ちからたろう』が有名かな?昨年刊行した『つかまえた』という作品が第68回産経児童出版文化賞美術賞を受賞しています。この作品は躍動感がすごいです。ちょうど同作をモチーフにした企画展「少年からみた魚と、魚からみた少女-夏秋版-」を開催していました。
 
学校と校庭と集落と、この風景全体が絵本の世界のように仕上がっていました。
いや、もしかしたらいまも絵本の世界は育っているのかもしれませんね。
田島征三「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」(以下同じ)
「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」

「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」

住所:〒948-0111 新潟県十日町市真田甲2310-1
TEL/FAX:025-752-0066
【開館期間】2021年4月24日(土)~11月23日(日)
      *冬期閉館
【開館時間】10:00~17:00 10月・11月は10:00~16:00
      *最終入館:閉館時間の30分前
入館料:一般800円 小中学生300円
http://ehontokinomi-museum.jp/

まつだい『農舞台』

ここから「まつだい『農舞台』」に移動します。
まつだい駅前に草間彌生(やよい)の作品「花咲ける妻有」を発見!
松本に住んでいたこともあり、そこは草間彌生誕生地で作品を収蔵する美術館もあり、なんだか親しみを感じますが、作品はエキセントリック!
草間彌生「花咲ける妻有」(左)
小沢剛「かまぼこアートセンター」(右)
イリヤ&エミリア・カバコフ「棚田」(右)
周辺には屋外作品も多数点在する城山が広がり、「まつだい『農舞台』」を含めたエリア一帯を“まつだい『農舞台』フィールドミュージアム”と呼びます。
屋外展示作品を観る前に、まずは「越後まつだい里山食堂」でお昼を食べて、館内のイリヤ&エミリア・カバコフの作品を堪能します。
カバコフの作品群は難解だけど、イラストはかわいさもあって好きです。
イリヤ&エミリア・カバコフ「プロジェクト宮殿」(左)
イリヤ&エミリア・カバコフ「10のアルバム 迷宮」(右)
一番見たかったパスカル・マルティン・タイユーの作品「リバース・シティー」、森の中の色鉛筆がキレイです。
パスカル・マルティン・タイユー「リバース・シティー」
まつだい『農舞台』

まつだい『農舞台』

住所:〒942-1526 新潟県十日町市松代 3743-1
代表TEL:025-595-6180
E-mail:info@tsumari-artfield.com
営業時間:10:00-17:00(最終入館16:30)
     火・水曜休館(祝日の場合は翌日休館)

※2021年7月22日リニューアルオープン
※「越後まつだい里山食堂」は通常営業しております。
直通TEL:025-594-7181

まつだい「農舞台」フィールドミュージアム券
1,000円(小中学生 500円)
※10月31日までのリニューアルオープン特別価格

・農舞台常設展示 500円(小中学生 200円)
・まつだい郷土資料館 300円(小中学生 100円)
・松代城 500円(小中学生 200円)
・人生のアーチ(小中学生 100円)
・フィヒテ(唐檜)300円(小中学生 200円)
https://matsudai-nohbutai-fieldmuseum.jp/

越後妻有里山現代美術館 MonET

さて最後は新しくなった「越後妻有里山現代美術館 MonET」へ。
[キナーレ]から [MonET]へとリニューアルしました。モネと読みます。
おもしろかったのはマルニクス・デネイスの作品「Resounding Tsumari」の3Dグラフックで表現された越後妻有。等高線で現れる空間で、自在に視点を動かすことができます。この地図はときどき海外から新しいデータが届いて、更新されるそうですよ。
ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー「ゴーストサテライト」(左)
マルニクス・デネイス「Resounding Tsumari」(右)
目「movements」(左)
ニコラ・ダロ「エアリエル」(右)
イリヤ&エミリア・カバコフ「16本のロープ」(左)
栗田宏一「ソイル・ライブラリー/新潟」(右)
目の作品「movements」は8000羽のムクドリを表現しています。
ニコラ・ダロの作品「エアリエル」は空中浮遊するパラシュート。
こちらにもカバコフの作品「16本のロープ」。
栗田宏一の作品「ソイル・ライブラリー/新潟」は、新潟県で採取した土のグラデーション標本。
クワクボリョウタの作品「LOST #6」に、鉄道好きのだんなが魅了されていました。かつて織物産業が盛んだった地域で、作業の道具による影絵作品です。
たぶん、ずっと見ていると思う・・・。
クワクボリョウタ「LOST #6」
1日の日帰り旅で3箇所めぐるのはなかなか大変でした。しかしながらアートの虜になり、あちらもこちらも観てみたい衝動に駆られます。
1箇所だけなら、もっとじっくりゆっくり楽しめるかも?
レアンドロ・エルリッヒ「Palimpsest: 空の池」
越後妻有里山現代美術館 MonET

越後妻有里山現代美術館 MonET

住所:〒948-0003 新潟県十日町市本町6-1
TEL:025-761-7767
営業時間:10:00-17:00(最終入館16:30)
水曜休館(祝日の場合は翌日休館)
料金・入館料
常設展示:一般800円、小中400円
特別企画展(常設展示含む):一般1000円、小中500円
https://www.tokamachishikankou.jp/spot/satoyamamuseum/

おまけで「十日町市博物館」も観てきました。てへ。
十日町市博物館

十日町市博物館

住所:〒948-0072 新潟県十日町市西本町一丁目448番地9
TEL:025-757-5531 FAX:025-757-6998
営業時間:9:00-17:00(最終入館16:30)
月曜休館(月曜日が祝・休日の場合は翌平日)、12月28日~1月3日
入館料:一般(高校生以上)500円、中学生以下無料
https://www.tokamachi-museum.jp/

今回寄ったところ

この記事を書いた人
小柴ぱせり

72年新潟市生まれ、99年結婚、夫婦二人暮らし。イラスト描きます。 読書、創作、映画、音楽、演劇、着物など、文化系多趣味で、ちょっと?鉄子。企画運営好き。 15年-18年は信州暮らし。
https://314musubiya.9nzai.net/

PR